第31話:よくある体育祭の風景(宝探し編4)
生徒ABCDを倒し僅かな経験値とアイテム(ヌンチャク、トンファー)を手に入れた俺達はダンジョンの入口に着いた。
「2年のC組やな。いらっしゃい。」
ダンジョンの入口の横には……屋台があった。
「確か3年の越谷君よね。こんな所で出稼ぎ?」
「よう知ってますな。なんかこうて行きますか?」
俺も知っている先輩だ。越谷先輩、日常に役に立ちそうで微妙なものを売る人だ。
「先輩、何を売ってんスか?」
嵐につられ俺も商品をみる。
松明、ランタン、ロープ、消毒液、鍵開けツール、食料、指輪?、鎧?、棒?……等々
なんで店に未鑑定の物を置くんだろうな…。
「先輩、今年のはこういった物が必要な作りなんですか?」
「なんか土木研とゲーム同好会、カラクリ研が協力して作ったってゆうとった。」
罠満載って事か。去年より格段にキツいな。
「今こうてくれたらサービスで鞄付けたる。」
4人で集まり相談した結果、俺達は買い物をした。
「代金は私が払うわ。真のおかげで余裕あるから。」
ゆ〜ちゃんのいう『おかげ』ってのは写真の売り上げなんだろうな…。
改めてダンジョンの入口の前に立つ俺達。俺はランタンに火をいれる。
「俺も懐中電灯付けとくな。どっちかが消えてもいいように。」
嵐は自分の懐中電灯をつけた。
嵐がすごい真面目だ……。久々に見た気がする…。
灯りをつけた俺達はダンジョンに入っていった……。その瞬間…
「キャ〜〜〜!」
「ヤ〜〜〜〜!」
「ウオーーー!」
「ッ!」
床がパカッと開いた。そして俺達は落ちて行った…。
ってか待て!この穴深すぎだろ!
――――――
バサバサッバキッバキッ!ドサッ!
だいぶ落ちた所で木に当たり地面に落ちた俺。死ぬかと思った…。
体を動かし様子を見る。ん、どこもいってないな。周りを見ると木が生い茂っていた……森か?落ちたはずなのに…。さらに近くの木の側に人が倒れていた。駆け寄る俺。
倒れていたのは巴だった。
「巴、大丈夫か?」
軽く頬を叩き様子を見る。…起きないな……。まさか……、
「おい!巴!しっかりしろ!」
………………。
「まこっちゃん…?」
巴から声が!最悪の事態は免れたか。
「巴。しっかりしろ。」
「………まだ早いよ……。私達……。」
意識が戻らないな。………これだけはやりたく無かったけど……
俺は巴の顔を覗き込み、そっと顔を近付けて行く………