第2話:ある朝の風景1
ガチャ…キィー…
あ、開いてしまったよ…
「兄貴?朝からうるさ……。」
妹が目を丸くして固まっている。
まぁ、無理もないだろうな。
ちなみに今固まってるのは俺の妹の
「桂木 舞」俺と同じく霞ヶ崎学園の1年だ。短い黒い髪に元気な瞳の子なんだけど…
「舞〜、お、おはよ〜。」
完璧に固まっている。兄の挨拶を返さないとは全くダメな妹だ。
試しに手でも振ってみるか?
「ハロー」
やっぱ反応がないな…ん?舞の目がすこし動いたな…。それもすこし下に…
「あ、その…部屋間違えました…。」
キィー…バタン
出ていってしまった。なんなんだ?間違えてはないと思うんだが…。騒いだの俺だしな。
トントンッ!
またドアがノックされた。なんなんだよいったい…。
ガチャ…キィー…
「あんた誰なのよ!……この、デカ乳女っ!」
ガタッ!
痛い…。顔が…鏡に…。鏡にヒビが…。
妹よ…。指さすなら顔を指させ。胸をさすな
「おまっ!兄貴に向かってデカ乳とはなんだデカ乳とは!」
予想外の方向への攻撃だ…。我が妹ながら恐ろしいヤツだ。
「兄貴にそんなの付いてるはずないでしょ!そんなうらやま……邪魔そうなものが!」
気にしてたんだな…。その限りなく空気抵抗が少なくフラットなのを…。いや、フラットと言うのすら過大なえぐれを…。
しかし、そんな事言われても付いてるものはしょうがない。
「信じられない気持ちはよくわかるぞ、妹よ。俺も信じられない状況だしな。」
「妹って呼ぶな!見知らぬデカ乳女!だいたい女の兄貴なんか持った覚えは無いわよ!」
こ、こいつは…
人がただでさえ混乱してる所に…
そういう態度をとるなら俺にも考えがあるんだからな…。
兄の恐ろしさを思いしらせてやるぞ。
「なぁ、舞…。あれはお前が12歳の
「すいません。お兄様。調子こいてました」
ハッハッハ。妹よ。そんな床に穴が開きそうな勢いで謝らくてもいいんだぞ。
ゴンゴンと煩いし…
「わかればいいんだ。ってか俺も混乱してる真っ最中なんだ。」
ドガッ!バキッ!
………。なんか変な音がしたようだ。
ふむ…。俺の部屋のドアがなくなってるな…。
さらにドアだったと思われる板がふっとんでるな…。舞もろとも…。なんかピクピクしてるから死んでは無いだろうけど…
つまり誰がドアを開けたわけだ。力づくで…逆方向に…。
間違いないな…。ドアがあった所に人が居るし…。蹴った体勢のままで…。
「煩い…。頭に響くでしょ?」