第21話:よくある体育祭の風景6
「redy…」
「にゃ〜♪」
変わったぞ!なんか前回と違う!前回のもあってなかったけど!
スタートを切る各選手。なんであれで正常なスタートが切れるんだ!
ツッコんでいるうちにスタートの遅れる俺!
全員で仕組んでんじゃねえのか?明らかにおかしいだろ!
「…おっと…。」
隣を走る忍び同好会の頭首が俺をチラッと見て何かを撒いた。
ま、まきびし?そんな物仕込んでレースに出るんじゃねえ!しかも嘘っぽく「おっと」とかいってんじゃねえよ!
ストライドを少し大きくしてかわしそのままの勢いで抜き去る!
抜いた瞬間今度は横のロボが首を真横に向けてきた!正直キモい!真横向いて普通に走るな!
ロボの目が光る!その瞬間ロボが躓きコケる。横なんか向いてるからだ!
ドッカーーーーーン!
俺の背後から聞こえる爆発音!
な、何をしやがった!
『おっとーーーー!科学部の結晶から放たれたビームが忍び同好会を直撃だーー!火薬にきれいに引火してドクロ型の煙を上げている!爆発に何名か巻き込まれた模様!レースは俄然荒れてきたーーーー!』
ナイス実況!……って火薬?忍び同好会じゃ自爆がブームなのか?
しかしこれでおかしなやつ(命の危険)は無くなった!皆後ろを気にしてるから追いついた!こっからが勝負だ!
現状残ってるのは巴、陸上部、野球部、サッカー部、自動車部だな。
いける!まだトップまで届く差だ!俺は一気にスパートをかける!
しかしそれはどの選手も同じようで全員がスピードを上げてきた!
ちっ!やっぱ全員多少は余力残してたか。………いや、全員じゃない。自動車部の靴は限界のスピードらしい。あがる気配を見せない。
「みなさん、まだ速くなるのですか?こうなったらニトロを…」
ニ、ニトロ?なんてものまで積んでやがる!そんなもん使われたら勝てねえぞ!
ポチッ…
「あ…ヤバ…」
咄嗟に反応できたのは奇跡だろう。俺は上半身を倒し体勢を低くした。理由は無い。なんとなくイヤな予感がしたからだ。
結果、この判断は正解だった。
ドッカーーーーーン(二回目)
再びすぐ近くから聞こえた爆発音。
これは障害物走とかじゃない。100mなんだ。普通100mで爆発は起きたりしない。それが一般の常識だ。
爆風の中走る俺。ゴールは近い!
ゴールテープが見えた。最後の一歩を踏む!
俺はゴールテープを切った!
横を走る巴と同時に。
『桂木さん、天城さん同時にゴーーーーール!肉眼では判らないため写真判定を行います!』
〜写真判定中〜
『結果が出ました!桂木さん、天城さんまさに接戦!決着は本当に僅かな差でした!肩、腰等全くどうタイミング!ですが、ですが!わずかに桂木さんの方が胸が大きかった!胸の差で桂木さんが一位です』
…俺を見る巴。
「まこっちゃん。ずるい。」
知るかーーーーーっ!