第20話:よくある体育祭の風景5
いよいよやってきました。100m決勝。決勝は16人で一斉に行われる。
俺と巴はお互いに準備をしていた。
「二人でトップ取れればいいな。」
「そうだね。そうすれば桂木先生喜ぶよ。」
そんな話をしていた。こんな事を言ってはいるけど決勝の選手は凄い選手ばっかりだ。
別嬪さん、別嬪さん、ひとつとんで別嬪さん。
間違えた………。
陸上部の短距離選手、野球部の盗塁王、サッカー部のFW、バスケ部、冬は陸上部になる水泳部、忍び同好会の頭主、科学部員と言い張るメカらしきもの、生物部の作品、エンジン音のする靴を穿いてる自動車部員……などなど
後半がおかしい?そんなのは解ってんだよ…。文句言ったんだけど……
「予選突破しちゃってるからね〜〜。」
だとさ……。意味がわからん。まず出場を止めてくれよ…。人間じゃないの混じってんだろうがよ!誰に点数入れんだよ!
『まもなく始まります女子100m決勝!予選を勝ち抜いた乙女達が集まりました!』
だから人間じゃないのいるからさ!
『現在の人気はやはり陸上部の末野さん。現在のオッズは2倍、続いて天城さん、二浦さん(サッカー部)、青星さん(野球部)CFK-31(ロボ)実験体1号(謎の生物)それに続いて話題の桂木さんが続いています。』
『桂木さん。意外と人気が薄いですね。お昼の写真売り上げではセーラー桂木はトップだったんですけどね〜!』
はやっ!もう売られたのか?しかもトップってなんなんだよ!
『一部予想屋の話では忍び同好会の頭主が敵討ちを狙ってるとの話もありますからね。』
敵討ち?あれは単なる自爆だろ?俺なんも悪くないだろ!なんか視線感じるし……。含み笑いはやめて…、怖いから…。
『そろそろ始まります。みなさん位置に着いて下さい。』
スタート位置に着く選手。俺の隣にはロボと忍び同好会の頭主…。
………しくまれてるんだろうか……
「桂木殿、全ては競技中の事故。何が起きても悪く思わぬ様に。」
思うわ!あきらかになにかする気だろうが!
「ナニガ起キテモ事故。死ンデモ事故。誰モ悪クナイ。記憶シマシタ。」
ロボっ!何をインプットしてやがる!余計な事覚えんな!
『on.your.mark…』
掲示板に浮かぶ文字と声。緊張の一瞬だ。
『ready……』
全員が次の声を待つ……。
『ハックション!』
なにぃ〜〜〜!