第17話:よくある体育祭の風景2
いよいよ始まった体育祭。種目は100m。俺の出場する競技だから集合場所に行った。
「いよいよ始まりました。霞ヶ崎学園体育祭。まずは100m走。各クラスのスピード自慢が集まっております。」
順番事にわざわざ選手紹介までする放送部の面々。
そして回ってきた俺の番。
「それでは次のグループです。第一コース、女子サッカー部の斉藤さん。敵陣に切り込む姿は一級品です。」
紹介され軽く手をあげる斉藤さん。速そうな感じだ。
「続いては女子バスケ部のフォワード、吉野さん。状況判断、スピードと素晴らしいモノを持っています。」
バスケ部か…。この人も速そうだな…。
「続いては、出ました。渦中の人。桂木さん。ここ数日で学園内のランキングを塗り替えまくっています。」
「そうですね。わかっているだけで写真屋のランキングはいきなり5位に入ってますし。さらには『姉御ランキング』、『恋したい女性ランキング』などがありますからね。』
な、なんのランキングだよ…。
「このグループ最後は忍び同好会所属の北野さん。走り以外にも注目の人です。隣の人は注意して下さい。」
忍び同好会?ってか、隣って俺?ちょっと待てよ!
「set!」
スターターの号令が響く。
「桂木さん。女になったアナタの力見せてもらいます。」
「負けません…。」
「覚悟。」
覚悟はおかしいだろ!
「ready…」
スタートは全員がクラウチングのようだ。緊張の一瞬…
「go!」
合図と共に一斉に飛び出す4人。スタートは悪くない。いい感じだ。上半身を起こしトップスピードにのる。
そして俺の顔の横をすり抜けていったナニか。………えっ?
「でた北野さんのクナイ!桂木さん、危機一髪!」
クナイ!?なんてものを!
ゴールが近い。トップは俺、斉藤さん、吉野さん、北野さんは俺の少し後ろだ。
よしっ!もらった!
「滅っ!」
ドッカーン!
ゴールテープを切った瞬間聞こえた声と爆発音。後ろを見ると……
モウモウとあがる煙。その中で倒れ、ピクピクしてる女子3人。な、なんだ?
「北野さん、大技の自爆だ〜!桂木さん以外3人はK.O!とんだ幕切れだ〜!」
自爆ぅ?危なっ!凄い覚悟だな…
俺のグループ……
一位、俺。
他3名、リタイア