第141話:ある呼び出しの風景3
さて、どこに居るかなって探すまでもねえな。ガラガラの食堂で4人のグループ探すのなんて楽だしな。
「悪ぃ。待たせたな。」
「あ、まこっちゃん。……えっと、生徒会室で何してたの?」
なんで巴の目が点になってんだ?巴だけじゃねえな。舞と純の目もだな。嵐だけ血走ってるけど…。キモッ!
「兄貴、それって宝華の…?」
ん?宝華のって…。ヤベェ!着替えてくんの忘れた!
「その制服は憧れの女の園。宝華学園の制服に間違いない。なんで真が来てるんだ!」
嵐!近い近い!ってよりキモい!……ウゼェ!
「グベェ!」
ガタガタガタ!ガラガラガラ!
あ…、思わず蹴りくれちまった。まぁ嵐だからいいか…。
「兄貴、その恰好で足出したらまずいよ。」
「…今日は水色…。」
まぁ周りに他に誰も居なかっただけよかったか。
「それで嵐が黙った所で聞くけどまこっちゃんなんで宝華の制服なんて来てるの?コスプレ?」
誰がコスプレなんかするか!
「いや、宝華に通う事になってさ。」
いつまでも立ってんのもなんだから椅子に座りながらそう言った。
「…詳しく教えて…。」
純がなんでパソコンに電源を入れてるのか気になる所だな。
「実はだな…。」
俺は3人に(嵐はダウンしてる。手応えはバッチリだったからな)生徒会室であった事を話した。
「なんだ、じゃあ転校するって訳じゃないんだ。」
「当たり前だ。あっちは女子校だぞ。」
そもそも元を正せば俺は男なんだ。女子校は憧れはするけどな。
「それにしても兄貴が宝華ねぇ。似合わないな。」
「…確かに…。」
「まぁ、女子校だしな。」
3人がピタッと止まった。ん?どうしたんだ?
「まこっちゃん、宝華学園の事知らないの?」
「名前しか知らん。」
「マジで?」
「大マジでだ。なんか変か?」
なんだ?その『こんな事も知らないのか?』みたいな3人の目は!
「まこっちゃん。宝華ってお嬢様校なのよ。」
はぁ?お嬢様校だぁ?
「因みに『ご機嫌よう』で始まって『ご機嫌よう』で終わるんだよ兄貴。」
ご機嫌ようだぁ?なんだそりゃ?
「そんな悪い冗談はよせよ。」
「…ホントの事…。」
ヤバッ!マジっぽいぞ!しゃ、シャレにならねぇよ!
「そんなんリアルに存在してたのかよ。」
うわ…。なんでそんな学校に俺を行かせるんだ…
「まこっちゃん、当然言うのよね?」
言うも何も…言うしかないんだよな…。
うわ〜!今から断りてぇ〜!