第139話:ある呼び出しの風景
嵐編終了です。再び真に戻ります。
ピ〜ンポ〜ンパ〜ンポ〜ン♪
『真!即刻、生徒会室にいきなさい!』
ぬぉ!この声はゆ〜ちゃんか?なんだこの放送は!
『桂木先生、take2。』
あ、藤井さんだ。
『……2年C組の桂木さん。生徒会室まで来てください。………これでいいでしょ…。』
ピ〜ンポ〜ンパ〜ンポ〜ン♪
愚痴はマイク切ってから言ってくれよ。…さて、生徒会室か…。
「面倒だけどいかないとヤバいよな…。」
俺は鞄を肩にかけて席を立つ。あ〜面倒だ…。
「まこっちゃん、食堂で待ってるから。」
「あ〜。できるだけ早く行く。」
さて…行くかな…。生徒会室…遠いんだよな…。
〜〜生徒会室前〜〜
いつ見ても無駄に思える程豪華なドアだよな。でかいし…
コンコンッ
「桂木真、出頭しました。」
……………。
なんだ?呼んで置いて誰も居ないのか?
ガンガンガンッ!
「2ーCの桂木で〜す。誰か居ますか〜!」
『桂木さん?開いてますので入って下さい。』
なんだよ、居るんじゃねぇか。
「失礼しま〜す。」
中に入って見ると、ゆ〜ちゃん、麗さん、神城先輩。んで…見知らぬハゲ。だれだこいつ。
「桂木真。出頭命令により参りました。」
「お〜桂木君。待ってたよ。」
おい、見知らぬハゲ。部外者が俺の名前呼ぶんじゃねぇ。
「桂木さん。とりあえずこれに着替えて下さい。」
着替え?なんだ?肉体労働か?
「自分で着替えられないなら私が強引に着替えさせるわよ?」
ハッハッハ…。そんな真剣な目で何を言ってんだゆ〜ちゃん。
「…着替えてきます。」
逆らったら剥かれるな。確実に。
渡された袋を持って何故かある更衣室に入る。ってかなんであるんだ?ここは生徒会室だぞ?
…考えたら負けか。生徒会室だからあるんだよな。服装違反者の服を直したりとか(私服だけど)
………ん?これは……。まさかな。いや、ありえないよな。でもあの人がいるしな…。とりあえずこれは…。
「ちっ、カメラ壊されたわ。」
…向こうからなんか聞こえたな。危ないってより……、出るとこ出たら勝てるよな…。いや、ゆ〜ちゃん相手にする気はないけど…。まぁいいや、着替えよう。
モゾモゾ…ゴソゴソ…
「ってなんだこりゃ〜〜!」
ドアを開けて更衣室から飛び出す。ゆ〜ちゃん、麗さん、ハゲの目が俺に向く。
「サイズは丁度のようですね。」
「当たり前でしょ。私が測ったんだから。」
二人の会話から察するにこれは間違いじゃないらしい…。
白いワイシャツに赤いリボンタイ。青ベースのチェックのスカート。このコスプレは一体なんだ?それとゆ〜ちゃん!カメラ構えるんじゃねぇ!
「桂木さん、宝華学園をご存知ですか?」
「名前位は。県内にある女子高だったと。」
確か宝華の夏の制服がこんなんだったな。あれ…なんか嫌な予感がしてきたぞ。
「その宝華学園です。その宝華学園と我が霞ヶ崎学園とで交換学習の話がありまして…。」
それはそれは。なんだか嫌な予感が膨らんできたな。
「そこで我が校から出す生徒というのが…。」
三人の視線が刺さりまくりだよ…。
「…俺……なんですか?」
なんでだ?もっと真面目なやつ行かせればいいのに…
「そういう事です。成績は申し分ないですし、困ってる人を助ける心の持ち主ですから。」
やっぱり面倒な事になったよ……