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第136話:赤井嵐の日常風景3

「まことーーーっ!」


「まこっちゃ〜〜ん!」


近所迷惑を一切無視して家の前で大声を上げる二人。呼び鈴?面倒だから押さない。


「巴さん、嵐さん、おはよう。」


「うぃーす。お待たせ。」」


呼んでさほど時間が経たずに出てくる真と舞ちゃん。


さぁ!世の男どもよ!俺が羨ましいか!毎日女三人に囲まれて登校するこのおれぐわっはぁ!


「ま、真…。いきなり何を!」


「なんか嫌なオーラを感じたからな。」


気配だけで殴るか?しかも鞄の角で…。あぁ…いってぇ…。


「おい、嵐。ボケっとしてると置いて行くぞ。」


ボケっとしてる訳じゃねぇよ。直撃した鼻がもの凄く痛いんだよ。なんか涙出てきたしさ…。


っておい!ホントに先に行ってるしよ!真だけじゃ無く巴と舞ちゃんまで!ヒドイんじゃないかい?


ってかなんか勢い的に顔面が凹んでそうなんだけどよ…。


あぁ!もうあんな遠くに!


「嵐!ホントに置いて行くぞ!早く来いよ!」


誰のせいで痛い思いしてると思ってんだ…。なんて口が裂けても言えないよな。言うと今度は巴に殴られそうだからな。


一瞬の眼福は拝めるかもしれないけどその後が地獄だからな。


「今すぐ行くから待ってくれ!」


顔を手で触ってる俺。決して不審な動きじゃないぞ。


よし、どこも折れたりはしてないな。


鼻血は…よし、大丈夫だ。


つまりは特に以上無しって事だ。


俺は立ち上がり真達の所に走って行く。


「嵐遅い。まこっちゃんが待つって言わなければ置いて行ってたわよ。」


「わりい、わりい。」


「嵐、顔が赤いけどどうかしたのか?」


…これを本気で言ってんだったら俺はびっくりするぜ。


「いやいや、お前が鞄で殴ったんだろ。しかも角で!」


「あれ、角いってた?」


「きてた。鼻に直撃した。」


「あ〜、それはすまん。角当たらない様にしたつもりなんだけどな。」


やさしいんだかやさしくないんだかわからない発言だな、おい。


「まぁ、何事も無かったみたいだからいいだろ。それより急がないと遅刻するぞ。ホームルームは居ないとゆ〜ちゃんに殺されるからな。」


なにっ!そんな時間なのか?時計を見た巴の顔がヤバそうな表情になってる。これはホントにヤバ目みたいだな。


「走るぞ。俺はまだ死にたく無い。」


俺だって死にたくない。


「兄貴!私は担任違うし走る必要無いんだけど!」


「そんな事言わずに走れ。こんな時に楽するような妹に育てた覚えはないぞ!」


「舞ちゃん、冷静になって。担任が違っても遅刻は遅刻よ。」


あー、そういえばそうだよな。命の保証はあっても遅刻にかわりないよな。


「あ…。わ、私も走る。走りたい気分になった!」


「よし、それでこそ我が妹。行くぞ!」


俺は女の子三人に囲まれて走り出した。


今日走ってる原因は俺が巴と会うのが遅かったからなのは認めよう。だけど直接の原因は俺じゃねえ!


だから巴!そんな目で俺を見るんじゃねぇ!

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