第133話:ある質問会の風景
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「それでは転校生への質問会を始めます。」
パチパチパチパチ!
「すいません、ちょっと聞きたいんですけど…。」
「被告人、なんでしょうか?」
「あ〜、やっぱり被告人なんだね〜。」
「そうみたい。で、ですね。そこにいらっしゃるのは?」
氷室兄弟の片割れ(練)が言うのは正面に堂々と座ってる方の事だろう。
「私はここの学園の生徒会長の八神です。よろしく。」
「あ、これはご丁寧に。転校生の氷室です。」
「同じく氷室です〜。」
お互いペコリと頭を下げてる。…なんだかな〜。
「じゃあ改めて質問会を始めるぞ。質問のある人は挙手。」
おぉ〜、すっげ〜。一気に手が挙がったよ。
「よし、じゃあ巴。」
「二人は今まではどこの高校に行ってたんですか?」
うん、まだ普通の質問だな。
「えっと、今までは他の県の高校です。名前は言ってもわからないかと…。」
「二人が通ってたのは涼星高校よ。文武両道の見本になるような学校でスポーツ選手とか作家、評論家とかたくさんいる学校よ。」
ゆ〜ちゃん、世の中には個人情報保護法ってのがあるの知ってるか?
それにしても涼星か。聞いたことあるっていうか助っ人の時に相手で居たな。
「じゃあ二人とも頭よくて運動もできるの?」
「なんだそれ。ずりーぞ。完璧超人かってんだよ!」
嵐、もの凄い妬みだな。感じちゃいけないオーラを感じるぞ。
「いや、そんな大したものでは無いです。」
「そうだよ〜。涼星は学校全体で文武両道なんだよ〜。」
どういう事だ?全く意味がわからん。
「…あ、出た…。」
「出たって何してたんだ?」
「…情報収集…。」
カタカタとキーボードを操作する純。
「…プロテクト甘すぎ…。」
この子はどこで情報収集してるんだろうね…。
「…氷室練。……前回の模試…2位…。」
ん…?模試…?あぁ、そういえば俺もゆ〜ちゃんに脅されてやったな。
「…1位は不真面目などっかの誰か…。」
うっせぇ、こっちをチラッと見るんじゃない。
「…氷室蒼…模試の成績は…可哀想だから秘密…。」
可哀想な結果なんだな…。って…あれ?文武両道じゃないのか?
「…空手で全国3位…柔道で全国2位…。」
うわっ、文武の武の方かよ。そんな風に見えなかったな…。
「はいはい、そこの二人、コソコソと話すな。今は転校生への質問タイムだ。」
そういえばそうだったな。しかし嵐に注意されんのもなんかムカつくな…。
「じゃあ質問。」
「はい、真。どうぞ。」
「こんな学校をなんで選んだ?」
「そうですね…。しいて言えば自由だからですね。」
「僕も練と同意見だよ〜。」
ふ〜ん…『自由』ね。俺から見れば好き勝手やってるだけに見えるんだけどな。