第130話:ある休み明けの風景5
side storyの希望、要望をお教え下さい。お願いします。
スパァァァァァン!
「お、お待たせ。ホームルーム始めます。」
壊れそうな勢いでドアが開いてゆ〜ちゃんが息を切らせながら現れた。
「って赤井君は?さっきは居たはずなんだけど。」
「あ、嵐なら暑いから川を泳ぎに行った。」
俺は後ろにある元嵐を指差しながらゆ〜ちゃんに言った。
「川をね。お花畑に囲まれた大きな川を渡ろうとしてるわね。」
流石。よく理解していらっしゃる。
「それより真、あんたどっから来たのよ。」
「どこって…そこからだけど?」
俺は今度は開けっぱなしの窓を指差しながら答えた。
「卑怯ね。こっちは普通に走ったって言うのに。」
「知るか。間に合えばいいんだよ。」
そもそも教師がホームルームに遅刻するのが悪いんだよ。
「まぁいいわ。それよりホームルームね。って言っても別にこれと言って何もないんだけど。」
おいおい…。やる気ねぇな…。
「一応確認しておくけど皆宿題はちゃんとやってあるんでしょうね?」
クラスの何人かがビクッと震えた。そしてさらに何人かが呻き声を上げた。
「まぁ居ないとは思うけど…もし提出出来ないようなら…。」
ゆ〜ちゃんは教室内をグルッと見渡した。
「生まれてきた事を後悔させてあげるわよ♪」
怖い事をサラッと笑顔で言うんじゃねぇ!
ほら!何人かがすでに後悔しだしてるじゃねえか!
自業自得なんだけどさ。
「ま、まこっちゃん。宿題ってあれで全部だよね…?」
うぉ!俺の目の前にも怯えてる人居たよ!
「選択で宿題出て無ければ全部だろ。」
「……選択…?…あっ…。」
お〜お〜、一瞬で顔から血の気が引いて行ったよ。
「ど、どうしよう…。」
「どうしようも何も今日やるしかないんじゃねえか?」
「だよね…。うぅ…。」
まぁ精々頑張ってくれ。俺は一応終わらせてるしな。
「あ、後明日から通常授業だから。他の授業はどうでもいいから私の授業はちゃんと出席するように。」
相変わらずの発言だな。途中の一言さえ無ければ真面目な教師の言葉なのに。
「じゃあ今日はこれで終わり。気をつけて帰るのよ。はい、号令。」
「きりーつ。」
「れーい。」
やれやれ、終わった終わった。じゃあ帰りますか。
ゆ〜ちゃんはドアを開けて教室から出ていく。…ん?なんか固まってるぞ。
「皆、待った。もう一回席に着いて。大事な事忘れてた。」
あっ、そういえば転校生いたな…