第129話:ある休み明けの風景4
side storyの希望人物がありましたらおっしゃって下さい。よろしくお願いします
「真達!私より遅いと遅刻にするわよ!」
「何!ゆ〜ちゃん、卑怯だぞ!」
「先生!僕達もですか?」
「教室までの道知らないよ〜。」
俺達四人は今廊下を全力疾走している。きっかけはメール。送り主は巴。
『桂木先生知らない?』
『今、俺と一緒にいるけど。』
『まこっちゃんどこにいるの?始業式終わったんだけど。』
…まぁそういう訳だ。
教師が居なくホームルームが進まない=帰れない
この図式が教室で展開されている。休み開けで早く帰りたい中帰れない為暴れる奴等もいそうだ。
ってよる嵐とかブーブー文句言ってそうだな。
そんな考え事をしながらも足は止めずに走り続ける。ってやっぱ広すぎだろ、全体的にさ!
俺は走りながら携帯を取り出す。
『まこっちゃん?どうしたの?って今どこにいるの?』
「巴。窓開けてくれ。俺の席の所の窓な。」
巴の質問を無視して携帯を切り俺は三人とは違う方向に走り出した。
転校生はゆ〜ちゃんに付いて行ってるから大丈夫だろう。
俺は目的地の教室まで走りドアを勢いよく開けた。
「失礼します。」
開けたドアの上には『3ーC』と書いたプレートがある。そう、3ーCだ。ちなみに俺は2ーCである。そんな訳で当然ながら
「まこ…桂木さん。何のご用ですか?」
麗さん。会長がいる訳だ。
「すいません。ただ通過するだけです。すぐに済みます。」
軽く頭を下げながら教室を横断する。
えっと俺の所の窓はっと…。あ、前と変わらず神城先輩の所だな。
「神城先輩!窓開けて下さい。」
「桂木君。またかい?あまり無理しないでおくれよ。」
そんな事を言いながら窓を開けてくれる神城先輩。またって…4、5回くらいしかやってないですよ。
開いたサッシに手をかけて足を外に出す。
「じゃあ続きをどうぞ。」
あきらかにホームルーム中に邪魔した感じだったからな。
ヒョイっと身を外に出す。視線は下に。目標は樹の枝。これをミスると単なる飛び降りになっちまうからな。
ガサガサガサガサッ
よし、無事に掴めた。後は開いてる窓を…
教室内にゆ〜ちゃん達は来てないな。よし、流石にゆ〜ちゃんので遅刻すると色々言われるからな。
枝を掴んでる手を振り反動をつけて窓に向かって跳ぶ俺。
そしてそんなタイミングで丁度着地点にいる嵐。うん、なんてお約束なヤツだ。
「くたばれ嵐〜!」
「なんぐがふっ!」
俺の両膝が嵐の顔面を的確にとらえた。俺はその体勢のまま着地した。
メキョッ!
当然の如く嵐の頭部は床と俺の膝でサンドイッチされている。
う〜ん。なかなかいい手応えだ。いや、足応えか?
「あ、まこっちゃん。お帰り。」
「おう。どうやら間に合ったみたいだな。」
俺は立ち上がり自分の席に座る。
「…どこに居たの…?」
「屋上。つまらない話聞いても意味無いしな。」
「…確かに意味無かった…。」
やっぱりそうか。あれは眠くなるだけだからな。
なにはともあれ無事に着いてよかった。なんか足元でピクピクしてるのは気のせいだと思うしな。