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第126話:ある休み明けの風景

長い長い夏休みが終わった。そう…終わっちゃったんだよ…。


学校メンドくさい。


よし、サボろう。ほら『まだ夏休みだと思ってました。』とかそんな感じで。


そうと決めたらもう一眠りするぞ。目覚ましのタイマーはオフ!よし、準備はOK!お休みなさ〜い!


コンコンッ


「真〜!今日から学校だかんね!」


聞こえない。俺にはなぁ〜んにも聞こえない。


「真〜。起きなさいよ〜。」


聞こえない。聞こえないったら聞こえないんだ。


ドガガガガガッ!バキャ!ゴンゴン!ドカッ!ドンドン!ダダダダダッ!バキン!


「ぐぅぇ…。」


な、なんだ…。何が…。


「ほら、あんたが起きないからドア壊れたじゃないの。」


ゆ、ゆ〜ちゃん。『壊れた』と『壊した』は似てるけど全然違うんだぞ…。


俺の部屋のドアはまたゆ〜ちゃんによって破壊された。今回は上半分が無くなっている。


そして無くなって上半分が俺の安眠への道を邪魔したらしくベッドの上(俺の上)にいらっしゃられた。


ありがとうドア。君との付き合いは3ヶ月足らずだったな。こんど生まれ変わる時はこわされないドアになるんだぞ。


「真、起きた?」


「起きたと言うか起きてたと言うか起こされたと言うか…。」


俺は元ドア(現木片)をどかして体を起こした。


「そ、ならいいわ。私はこれから会議に行くから。ちゃんと学校来なさいよ。あんたがサボると私の評価が下がるんだから。」


結局自分の為かよ…。


「舞は起きてんの?」


「知らないわよ。私あの子の担任じゃないし。」


担任どうこうの前に姉として起こしてやれよ。


「多分寝てると思うけどね。昨日『ロスタイムは1週間』とか言ってたし。」


あいつもなかなかの強者だな。流石に1週間は無いだろ…。


「叩き起こしてくる。」


「ご勝手に。じゃあ私はもう行くから。休み明けから藤井にムカつくこと言われたくないし。」


ゆ〜ちゃんは手をヒラヒラ〜と振って俺の部屋のドアの前から居なくなった。


さて、舞を起こしに行くか。俺の安眠が妨害された以上アイツにスヤスヤ寝てられるのもムカつくし。


俺は半分になったドアを跨いで部屋からでて舞の部屋の前にやってきた。


「舞。夏休みにロスタイムは無いぞ。」


…………。


返事がない。起きないようだ。俺は扉を開けて部屋の中に入る。


舞はス〜ス〜と寝息を立てている。うん、なんかムカつく。


「舞!朝だ。起きろ!」


「…あと3時間。」


長いよ!普通は分単位で刻むだろ!


「起きないとウネウネ動くモノを投げるぞ。」


当然そんなものは持ってないけどな。


「…マジ…?」


「9割はマジだな。さもなくば写真撮って売るぞ。」


「…起き…る。だからそれはヤダ…。」


布団にくるまりながらモゾモゾと動く舞。なんかイライラするな。


「フォール!ワン!ツー!」


俺が三つ目を叩くより早く舞は首ブリッジをした。なるほど、舞は全女式なんだな。


「…兄貴。おはよ…。」


「おう。とっとと降りて来い。巴達がきちまうから。」


「ん。わかった。」


よし、これで舞だけが夏休み延長は阻止した。


なんだか清々しい気分だ。




俺の部屋のドアさえ見なければな…

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