第125話:ある夏の終わりの風景5
間が開いてしまいました。楽しみにされてた方(居ましたら)申し訳ございません
「もう無理〜!飽きた〜!」
「俺も駄目だ。頭から煙が出そうだ…。」
「まこっちゃん…ギブアップ…。」
なんだ、三人同時にダウンか。
俺もペンを置いて首を回す。あ〜コキコキといい音がするわ〜。
さてと、三人は放って置いて続きを……
「兄貴、お腹減った。」
…する前にメシだな。そういや朝から菓子しか食ってないし。時間的にも……ほら、ちょうど昼だ。
「そうだな。昼にすっか。」
ガバッと巴と嵐の顔が上がった。
「休憩ね。」
「昼か〜?…あ〜寿司食いてぇ〜〜。」
「お寿司か〜。嵐いい事言うわね。」
「お寿司いいなぁ〜。」
こいつらいきなり何を言ってやがるんだ?
「す〜し。す〜し。す〜し。」
嵐、正気か?ホントに変な世界に行っちまったのか?
「「す〜し。す〜し。す〜し。」」
巴。お前まで加わるんじゃない。
『す〜し。す〜し。す〜し。す〜し。』
舞!手拍子は絶対に必要ないだろ!
『す〜し。す〜し。す〜し!』
カチャ
「煩い。少し黙れ。」
「あ、兄貴ゴメン。」
「ちょっと調子にのりすぎました。」
「ってなぜ銃口が俺から動かないんだ!」
それは簡単な理由だ。お前がまた先導して騒ぎそうだし、お前を撃っても良心が痛まないからだ。
「ま、まて真!その目はヤバい!お前確実に撃つ気だろ!」
「なぁ嵐、知ってるか。ガス銃ってちょっといじるだけでスチール缶を貫通するんだぜ。」
「ま、待て真。そう言うのは人や生物に向けちゃいけないんだぞ…。」
「ふむ。つまり『生物』じゃなくて『物』にしてから撃てばいいんだな?」
「い、意味がわからないぞ!」
なんだわからないのか。ようは生命活動が停止すれば『物』ってことだ。ドゥーユーアンダスタン?
「さて、もう一度聞こう。何が食べたい?」
「特上寿司。」
「よし、嵐、暑いだろ。今すぐ川を渡らせてやる。運賃は六文らしいけどお前なら自力で渡れるだろ。」
「それは渡っちゃ行けない川だろ!」
いいだろ、体は冷たくなるし川は泳げるし一石二鳥じゃないか。
「まこっちゃん、お寿司食べたい…。」
そんな上目使いに俺を見るな!
「お兄ちゃん、私もお寿司食べたいよ…。」
なにがお兄ちゃんだ!普段兄貴ってよんでるくせに!そんな甘え立ってな…
「嵐、財布を出せ。」
「とりあえず銃を下ろせ…。ってかなんで財布を!」
「巴、舞。嵐がおごってくれるそうだ。寿司を…。」
「あ、あきらかに脅迫…。」
「なにか言ったか?嵐?」
「なんでも無い。だから眉間から離して…。」
うん、わかればいいんだよ、わかれば。
こうして俺達は昼飯にありつけた訳だ。
美味しゅう御座いました