第121話:ある夏の終わりの風景
♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜
ん…誰だ…。
体を起こして携帯を掴みながら時計を見る。
6時…。ありえねぇ…。
携帯を開いて通話ボタンを押す。
「はい…。」
『真。俺だ。」
「俺さん…?あいにくそんな名前の知り合いはいません。」
『お前、寝ぼけてるだろう?』
「嵐…、今何時だと思ってやがる。」
『何時って6時だろ?』
「眠いから切るぞ。」
『待てっ!切るな!ってか助けてくれ!』
「…なんだ?」
『実は宿題が…。』
ピッ…
さて寝直すか…。
♪〜〜〜〜♪〜〜〜
再び携帯が鳴る。
「今度はなんだ?」
不機嫌さ全開の声で電話に出る。
『ま、まこっちゃん?ゴメン。』
「なんだ、巴か。こんな時間にどうした?」
『機嫌…悪い?』
「いや、てっきりまた嵐かと思ったから。」
『こんな時間に嵐も常識が無いわね。』
いやいや、巴さん。アナタも同じタイミングで電話して来てるんですよ?
「で、一体なにようだ?」
『えっと、まこっちゃん今日予定ある?』
「別にこれと行った予定は無いけど。」
『じゃあ行っていい?』
「それは今からか?」
今は良い子がラジオ体操をしてるような時間だ。
『10時位でどう?』
10時か…。ん〜…まぁいいか。
「ん、いいぜ。」
『よかった。じゃあ10時に行くね。』
「はいよ。手土産よろしくな。」
『は〜い。なんか適当に買って行くよ〜。』
切れた電話を枕元に投げる。電話してたら目が覚めちまったな…。
しょうがねぇ…起きるから。ベッドから降りて軽く体を動かす。
ってこんな早く起きてどうすっかな…。
とりあえず汗でも流してくるか。
下に降りる為扉を開ける。
「あ、兄貴!」
「ん、舞か。早いな。」
「兄貴こそこんな時間にどうしたのさ。」
「ん〜、電話してたら目が覚めちまってな。」
「なら丁度いいや。兄貴、頼みがあります。」
両手を合わせてくる舞。
「なんだ?金なら貸さないぞ。」
「確かにお小遣いもちょっと厳しいのもあるんだけど…。」
「じゃあなんだ?」
「ヘヘへ…。実は宿題教えて欲しいなって…。」
「ゆ〜ちゃんに聞けばいいだろ?」
「嫌よ。何要求されるかわからないし。」
「確かにな…。」
頭をポリポリかきながら舞を見る。
「しょうがねぇな。とりあえず今から汗流してくるから準備しとけ。」
「ありがと、兄貴。」
「ただし10時に巴がくるからそれまでな。」
「巴さん来るの?なんで?」
「さぁ?そういえば理由聞いてないな。」
「ふ〜ん。まぁいいや。準備しとくね。」
舞がそういうとお互いに動き出した。舞は部屋に。俺はシャワー浴びに。
あ、サービスシーンは俺の担当じゃないから無いよ