第118話:ある二人の風景5
俺が毎回疑問に思ってる事を聞いてもいいか?
なんで女性陣の買い物はこんなに長いんだ?
なんでこんな事を聞いたかって言うと、まぁわかると思うけど今買い物をしてるからだ。
なんか嵐のプランと同じ流れなのはなんだか気にくらないけど巴が来たいって言うんだからしょうがない。
今は小物やなんかを扱っている店にいる。
正直今すぐここから出たい。なんかここの空気は俺には合わない。だが残念ながら逃げられない。何故なら…
「ほら、まこっちゃん。これ可愛いよ。」
「ああ、そうだな。」
巴の腕が俺の腕に絡まってるからだ。
店内が混んでたから俺がシャレで
「こんなに混んでたらはぐれたりすれかもな。」
とか言ったのがまずかった。それを聞いた巴が
「こうすればはぐれないよ。」
とか言っていきなり腕を組んできたんだ。そしてそのまま店内を徘徊してる訳だ。
これって『口は災いの元』ってやつだよな…。
昼飯に続いて二連発でミスった…。
ホントに逃げてぇ。無理だけど…。
「ねぇこれ良くない?」
「ああ、そうだな。」
そんな用途不明なもの(でかいカエルの置物)買ってどうする気だ?
俺は所在無さげに周りを見る。目に見えるのはキャイキャイ話ながら物色してる女の子達。女の子に引っ張られて困ってる男。
頑張れ!アンタの気持ちよくわかるぞ!
ん?アレいいな…。
「なぁ巴、アレ良くないか?」
俺はあるものを指差した(と思う)
「え、どれ?」
巴は俺の指の先を見る。
「あのネックレス?」
どうやらちゃんと指差せてたようだ。
「ああ。どう思う?」
「こっからじゃわかんないよ。見に行こ。」
俺は腕を引かれてネックレスの所に来た。
「う〜ん、まこっちゃんってこんな感じの好きだっけ?似合いそうだけど。」
「何言ってんだ?俺じゃねえよ。巴に似合いそうだと思ったんだけどさ。」
「えっ、私?」
「あぁ。運動の邪魔にならなそうだしお前に合いそうだしさ。」
「私にか〜。」
巴はネックレスをジーッと見てる。
「どうだ?」
「いいかも。」
「よし、じゃあ決まりだな。」
俺はそのネックレスを一つ持った。
「決まりってまこっちゃんが買うの?」
「そのつもりだけど?」
「そんな!今日散々おごってもらってるのに悪いよ!」
「気にすんな。俺が買いたいから買うんだから。じゃあちょっと買ってくる。」
俺は巴の腕と自分の腕を離してレジに向かった。
さて、金も払ったし…アレ、巴は?
「あ、まこっちゃん。ちょっと待ってて。」
「お、居た。なんか買ったのか?」
「うん。外でちょっと待ってて。」
「ああ。わかった。」
巴もなんか買ったのか。まさかあのカエルじゃ無いだろうな…