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第117話:ある二人の風景4


「泣いたらお腹へっちゃった。」


「時間的にちょっと遅いけど昼食ってないしな。」


「そうね。なんか食べよ。」


「そうだな。」


俺達はメニューを見る。


「何がいいかな?」


「ここの払いも持つから遠慮しないでいいぞ。」


「えっ?いいの?映画館でも払ってもらったのに?」


「今日だけ特別な。」


「ありがとう。」


しばらく俺と巴はメニューを見ながら注文を決めていた。


「私は決まった。まこっちゃんは?」


「俺も大丈夫だ。」


「じゃあ呼ぶよ。すいませ〜ん!」


「はい、なんでしょう(バカップル)。」


ん…?今最後の方に小声でなんか言わなかったか?


「私はミックスサンド。」


「あ、俺はカルボナーラ大盛りで。」


「はい、かしこまりました(バカップル)」


やっぱ語尾の方でなんか言ってる気がする…。


「ふ〜んカルボナーラか…。」


「巴、なんでニヤニヤしてるんだ?」


「なんでもないよ。」


なんでもないハズがない。なんだ?スッゲー気になる。


この答えは直ぐにわかった。




テーブルに注文したものが置かれた。


「ねえねえ、まこっちゃん。」


「ん?なんだ?」


「どうやって食べるの?」


「そりゃフォークで食べるさ。」


「どうやってフォーク持つの?」


そりゃ指動かないからテープで固定してだな…。ん?テープ……?


「しまった…。」


「やっぱ持ってきて無いみたいね。」


忘れたよ!マズったな…。


って巴?なんでお前がフォークを持つ?ミックスサンドにフォークはいらないだろ?


ってなんで俺のカルボナーラにフォークを刺す!俺のも食う気か!?


「まこっちゃん……あ〜ん。」


ななななな、なにうぉ〜〜〜〜?


あ〜んだと?何を言ってる!なんでそんな笑顔でスパゲティの巻き付いたフォークを俺に向ける!


「食べないの?」


「く、食うけど…。」


俺は視線を反らす。うわっ!周りの人が一斉に目反らしたし!


うわぁ〜超見られてるよ…。


「はい、あ〜ん♪」


なんでそんなノリノリなんだ…。


「まこっちゃん…?」


巴!その『駄目?』みたいな表情は卑怯だ!


「あ…あ〜ん…。」


俺は観念して口を開けた。開いた口にスパゲティが入れられる。


「おいしい?」


「…………。」


俺は無言で頷く。……嘘です。恥ずかし過ぎて味なんて全くわからん…。


「まだまだいっぱいあるからね。」


おぅ…。確かに皿にはカルボナーラがいっぱい乗ってるぜ。


誰だ!大盛りなんか注文したヤツは!




ああ!俺だよ!俺ですよ!

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