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第11話:よくある学校風景2

今、教室内は大騒ぎだ。なぜなら机と椅子が動かされているから…。


教室の真ん中に一つ。教室の前と両サイドに一列ずつ、教室の前側に一列、余った机はまとめて重ねて廊下に置かれ、教室の後ろ側に椅子が並んでいる…。


これを誰が指示するでもなくやっている…。馬鹿だ…。


真ん中の机には

「被告人」、両サイドには

「検事」

「弁護士」、前側の机には

「裁判官」そして後ろ側の椅子の方には

「陪審員」。


こうしてクラス裁判所は完成した。


「被告人は前に。」


裁判長(学級委員)が俺に言う。誰が被告人だ…。逆らいたい所だが明らかに逆らえない雰囲気なので素直に真ん中の椅子に座る。


「これより『あなたは何者?裁判』を開廷します。」


沸き起こる拍手。訳がわからないぞ…。


「悪いんだけどいきなりだけどいいか?」


手を挙げる俺。


「被告人、なんでしょうか?」


「検事多すぎ!後、弁護士!やる気だそうよ!」


検事席には溢れんばかりの人数。大体クラスの半分位。対して弁護席には読書をする担任一人…。巴は傍聴席に座ってる。


「いいからやりなさい。嘘言うと内申が下がるからね。」


おい…。教師の発言じゃないだろ…。


「では、始めます。被告人。名前と職業をお願いします。」


うわぁ、あっさり始めやがった。


「桂木真。霞ヶ崎学園の2年C組の生徒やってます。」

これ以上内申下げたくないしな…。素直に答える俺。


・・・


教室を静寂が支配する。固まり俺を見るたくさんの眼。


「「え〜〜〜っ!?」」


大音量の驚きの声。


「ひ、被告人。真実をお願いします。」


木槌をならす裁判長。文句を言う検事達。


「嘘言ってないわよ。」


本から視線を上げずに言う弁護人(ゆ〜ちゃん)


再び教室を沈黙が支配する。


「ひ、被告人?いつから女装趣味が?」


ゴッ…

机って固いんだよね…。朝からおでこぶつけすぎだろ…。


「女装趣味なんかじゃねえよ!寝て起きたらこうなってたんだ!」


「本人かどうか確認します。検事からの質問に答えてください。」


検事達からくるたくさんの質問。クラス全員の名前。前回のテストの順位。学園長の名前。家族構成。経歴…。俺はそれに答えて行く。そして……


「スリーサイズと今日の下着の色は?」


この質問はいつきたのかわからない嵐からだった…。


「裁判長、アイツを黙らせていいか?」


「認めます」


即答する裁判長。クラス全員(ゆ〜ちゃんは除く)からの視線を浴びるながらひきつった笑顔を浮かべる嵐。


「即答?なに?これって真への質問だろ?」


一部の男は頷いている。まぁ、気持ちはわからんでもないが…。


「嵐。じゃあな。」


ニッコリと笑顔を浮かべる俺。アレ?周りの人が震えてるぞ?人がよけて道ができるし。


「ま、真。顔怖いぞ…」


「気のせいだろ?」


俺は嵐に向かい軽く走り顔面にドロップキックをぶちこむ。


ドゴッ!パリーン!


吹っ飛ぶ嵐は体で窓を割り、地球の引力に引かれて行く。


「あああぁぁぁ…」


小さくなる嵐の声。


ドスン!


地面に開いた人型の穴。


「真、ガラスどうするのよ。」


ゆ〜ちゃんはいまだに本から視線を外さず聞く。

「嵐が払う。」


この時クラスの心が一つになった。それは…


「鬼だ…」


というつっこみだった

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