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第109話:ある退院後の風景

え〜、無事に退院しました。…すいません嘘です。強引に退院しました。体は元気なもんだから暇で暇でしょうがなかったんで通院にしてもらいました。


「必ず病院にくるように。」


医者の先生に何度も釘を押されて病院を後にして久々に家に帰ってきました。


退院の時はわざわざ家から舞がやってきて正直びっくりした。


なんか散々嫌われてたからな…。


「ただいま〜。」


舞に玄関を開けてもらって俺は家に入った。


「あ、兄貴。そこに座って。」


舞に言われるまま座ると舞が俺の靴を脱がせた。


「あ、悪いな。」


「別にいいよ。」


いくら退院したとはいえ俺の両手はガッチガチに固まっている。ぶっちゃけ何もできない。頑張れば玄関のドアは開けられるかも知れないけど。


「真くん…。」


背中から聞こえた声に俺は振り返る。見ると母さんが立っていた。右手に包丁を持って…。


「真くん!無事でよかった!」


母さんは俺に抱きついてきた。もちろん包丁を持ったまま。


「か、母さん!危ない!今いきなり無事じゃなくなる!」


母さんは俺の言葉を聞かずにより強く抱きついてくる。包丁はおれの首筋近くにある。…殺られる…。なんだ?〜〇曜サスペンス劇場〜病院帰りの息子を襲う凶刃。迫る恐怖を映す刃。みたいな感じは!


「母さん。ほ、包丁を離してくれ…。」


「あ、あら。私ったら。」


カラン…。母さんは包丁を離して再び抱きついて俺の体を触りだした。


まさか退院早々命の危機に曝されるとは…


「真くん…。よかった。」


「一部無事じゃない上にたった今身の危険を感じたけどね。」

俺は両手を上げながら言う。


「いいの。いつもの真くんだから。」


母さんは俺の髪に指を通し、頭を撫でながらいった。


「真くん。今ご飯作ってるからお風呂入ってきちゃいなさい。」


「そうだな。久々に風呂に入りたいよ。」


病院では体を拭いてもらってただけだったからな。


「でしょ?ゆっくり入ってきなさい。」


母さんから離されて俺は風呂に向かった。


そういえば気付いたら舞が居ないな。流石に暑い中歩いたから部屋に行ったか?


俺はそんな事を考えながら風呂に歩を進めた。

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