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第10話:よくある学校風景

「おはよ〜。」


「お〜す。」


「あ、おは…よ…?」


教室に入るなり返された疑問型の挨拶。


「天城さん。後ろにいるの誰?」



「ん?ああ、この娘。本人に聞いてみたら?」


一斉に俺に向けられる無数の瞳。


すごいプレッシャーだ…。思わず一歩下がる。


コツッ…


かかとがドアに当たる。さっきまで開いてたはずなのに…。扉を足で押さえてる巴。あのアマ〜。


「ねぇ、あなた名前は?」

「天城さんとの関係は?」

「その髪って地毛?」


津波の様にくる質問の嵐。人垣は俺を中心に二重、三重の半円になっている。しかも徐々に近付いてくる。


「あ、俺は…」


助けを求めて視線を送るも巴はニヤニヤしている。この裏切り者!


「俺だって。」

「カッコいい!」

「なんか似合うね!」


「「キャーーッ!」」


み、耳が…。なんてすごい音響兵器だ…。


「み、みんな落ち着け。」


この言葉に効果は……なかった。さらに詰め寄ってくる人々。より近くで輝きを見せる多数の瞳。


暑い…痛い…苦しい…。



キーンコーン


た、助かった…。鐘がなった…。


「ねえねえ」

「あなた。」

「どうなの?」


まさか…。聞こえてないのか?ま、まずい…まともに動けないぞ…


カーンコーン


こ、これ以上下がれない…。下がれたとしても外にでたら間に合わない…。


キーンコーン


って…誰も座ってない?全員が俺の方に来てるのか?


カーンコーン…


ガラガラッ…


「おーい、全員座りなさい。遅刻にするわよ。」


前のドアが開き教師が入って来た。我らが担任の

「桂木」先生だ。助かったよゆ〜ちゃん…。


みんなゾロゾロと席に座って行く。


解放された俺も自分の席に座る。


つ、疲れた…。チラッと巴を見ると何事もなかったかの様にしてやがる…。覚えてろよ…。


「えー、今日の連絡事項は隣のクラスの藤井先生に遅刻を怒られました。ムカついた。好きで遅刻した訳じゃないのに。」


チラッと俺を見るゆ〜ちゃん。


そうだよな…。朝からあんな騒ぎがあれば遅刻もするよな…。


「あと、これからハゲの話があるから適当に聞く様に。」

テレビの電源が付けられる。教師が学園長をハゲとか言うな…。確かに輝いてるけど…。


テレビに学園長の姿が映される。


「生徒のみなさん、おはようございます。今日は〜〜(中略)なのでみなさんには、是非とも……えっ?巻きで?え〜では体育祭も近いので毎日健康に気を付けて過ごして下さい。」


学園長の姿が消え、画面は真っ黒になる。みんながゆ〜ちゃんを見る。ゆ〜ちゃんは読書の真っ最中である。


ゆ〜ちゃんを見る生徒一同。チラッと教室内を見るゆ〜ちゃん。あ、気付いたみたいだ。


「あ、終わったの?じゃあそういう事らしいから。HRは参加競技決めるから。生徒主体でよろしく。」


再び本を読み出すゆ〜ちゃん。当然の様に前に出てくる学級委員。…楽してるな。


「では、参加競技を決めたいと思いますが…。その前に皆さんの疑問を解決したいと思います。」


再び教室中の目が俺の方を向く。そうなるよな…。


「被告人は前へ。」


誰が被告人だよ!

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