第102話:ある病室の風景2
………。
何秒くらいしてればいいんだろう…。
パシャ!
突然病室内が光に包まれた。私は慌ててまこっちゃんから離れる。
何?何の光?
私は病室内をキョロキョロと見渡す。そんな時聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「ヤベッ!フラッシュ使っちった!」
「嵐君!バレたらどうするのよ!」
「…静かに。声が入る…。」
「そうですよ。静かにして下さい。」
私は声のした方を見る。声がしたのは病室の入り口の方。
ドアの隙間から三対の目とレンズが見えた。
…………見られた…?
私は手元にあった雑誌をドアに向かって投げた。
ドンッ!
雑誌はドアにぶつかり落ちた。
「ヤベッ!バレたか?」
バレるに決まってるでしょ!
私はドアまで歩きドアを開けた。
開けられたドアの向こうには案の定見知った人がいた。
優さん、嵐、純、八神会長の四人…。
「ちょ…。何してるんですか!って純!撮るのダメ!」
私は純の構えているカメラのレンズに手を添えた。
「…けち…。」
「けちじゃない!」
「やっぱバレたか。」
「バレるに決まってるでしょ!バカ!」
「バカって言うな。」
「って言うかバカ!」
「二回も言うな!……そんな可哀想な動物を見る目で俺を見るなー!」
「見てたのは皆も同じでしょ!ってか見た?」
「バッチリな!」
「いや〜、初々しかったわ。」
「…記録も完璧…。」
「あら、天城さん。顔が真っ赤ですよ?」
赤くもなるわよ!顔がスッゴク熱いし!なんか変な汗かいて来た!
「八神会長!止めて下さいよ!」
「あら、ここは病院ですから会長は関係ないですよ。」
「いや、会長とかじゃ無くて人として!」
「なかなかいいものを見させて頂きました。」
「おかしいから!」
八神会長がこんな人だとは思わなかったわ…。
私は肩を上下させながら息をしている状況。
廊下を通りかかる人達の視線が中々辛いわ。
いかにも『病院ではお静かに』的なオーラを発してるし。
「と、取りあえず話は外でしましょう。周りが何か言いたいような目で見てるし。」
「そうね。病院内じゃ煙草も吸えないし。」
「時間的にもお昼ですし外に行くのもいいですね。」
「…行きましょう…。」
やっぱ皆視線を気にしてたみたい。私達は病院を出ることにした。
私達が居なくなったすぐ後に病室で何があったのかも知らずにお昼を食べに行ったのでした