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第96話:ある闘いの風景

ふぃ〜、危ない所だった。


いや、正直見た時は自分のこの2.0の目を疑ったね。


だって真が巴を殴ろうとしてたんだからな。


まぁ、ちょっといいものが見れたけど。そのかわり今後ろから凄い視線感じるけど…。


「真。お前正気か?」


一応確認しておこう。って言っても真が拳握ってる時点であんま正気だと思ってないけど。


真の返事は口からじゃ無くて右足だった。


「おっと。」


真の右上段蹴りを頭を下げてかわす。


「こりゃ正気じゃないね。」


真から少し距離をおくように下がる。


「八神会長。巴と一緒に離れて下さい。」


「ちょっと嵐!」


後ろから巴の声が聞こえた。あきらかに文句を言いたそうな声だ。


「なんだ?感謝のご褒美はあとで受け取るぞ。」


「そうじゃない。」


はいはい。そうだろうな。言いたい事は判ってるよ。


「いいから下がってろ。なんとかするから。」


巴を追い払うように手で下がれと合図する。意識は真から離さない。


「…頼んだわよ…。」


「任せろって。」


後ろから巴と八神会長が下がったのがわかった。


さて…どうしたもんかな…。


目の前には真がいる。


「お前は…満たしてくれるのか…?」


はぁ?満たす?何の事だ?


真が突っ込んできた。右の拳を俺の顔をめがけて突き出す。


俺はそれをかわす。すると連続して左の踵が顔面に向かってくる。それも後ろに下がる事で避ける。


「っと…。危ない危ない…。」


こりゃシャレにならんな。


かといって手を出すのもな…。


「嵐君。やっちゃっていいわよ。」


「優さん。いいんですか?」


「私の分って事で構わないから。」


「わかりました。」


許可をもらってしまった。


「真。そういう事らしいからよ。」


両手の指をポキポキ鳴らす。


聞こえてるのかよく判らないな。真は一切表情かえないし。


俺と真はお互い円を描く様に様子を伺う。


先に手を出したのは真だった。踏み込んで来て前蹴りを俺の膝に出して来た。そんなの喰らったらあり得ない方向に曲がっちまうから横にかわす。


今度は左拳が腹にくる。それは肘で防いだけど…痛え!


俺はお返しとばかりに左を腹に打つ。それはやっぱり防がれた。


いったん距離をおく真。俺はそれを追って右のローを出す。真は脛でローを受ける。


って脛ガードされると痛いんだって!


一瞬怯んだ俺の腕を真は掴み俺を背負う。


ちょっ!下、畳じゃないんだって!


俺は体を捻ってなんとか足で着地する。勢いで2、3歩下がる。


「へぇ…アンタやるね。」


この言い方だと俺だって判ってない…?


「おい!真!」


俺は真に声をかけた。だが最後まで喋れ無かった。


真の膝が俺の腹に直撃したからだ。


「グッ!」


上体を曲げる俺の顎めがけて真がアッパーを出して来た。


そんなもん喰らったら入れ歯になっちまう。俺はギリギリで避ける。


ヤバい。こりゃヤバい。今まで喧嘩した誰より強いぞ。




う〜ん、どうにかなるのかな…

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