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まさかのミスです。小説を削除してしまいました。( ;∀;)やり方がわからないから辛いです。小分け削除できないなんて悲しいです
朝目覚めると……家からお兄ちゃんが居なくなっていた……
メールをしても、電話をかけても、繋がらないし返事は来なかった。
はじめ、お母さんもお父さんも「心配ないよ大丈夫だから」「 大地 も大人なんだし問題ないよ」
その日の夕方、私が学校から家に帰るとお母さんが慌てて出掛けるところだった。
「どうしたの?お母さん」
「ゴメン、美樹直ぐに帰るから」
そう言いお母さんは慌てて玄関を飛び出していった。
しかし、1時間経っても2時間経ってもお母さんもお父さんも帰っては来なかった。
普段なら1時間前にはお父さんが帰ってくる筈だったが今日は残業だろうか、
そんな中、携帯が鳴った。
『ピリリリリリッ』
私は一瞬、ビクッ!とした其れは登録外の人ように使われる普段鳴らない着信音だった。
最初出るか迷ったが、【0××-××××-1974】電話番号が表示されていたので私はお兄ちゃんが誰かの携帯から掛けているんだと思い直ぐに電話に出た。
「もしもし?」
「ウラノ…ドリーム…ランド…あなたのお兄ちゃんは……もう…帰れない……」
ガチャ……プーップーップーッ
「もう!なんなのよ」
そう言われ直ぐに電話が切れた。
私は頭にきて、直ぐにその番号にかけ直して文句を言おうと考えたのだ。
しかし、着信履歴から番号が無くなっていたのだ。
「何なのよ?気味悪いし、お母さん早く帰ってこないかな?」
少し嫌な寒気を覚えながら、美樹はさっき電話で言われた最初の言葉、“ウラノ…ドリーム…ランド”と言うフレーズが頭から離れなかった。
直ぐに調べようとしたが……
「あー通信制限忘れてた!お母さんは居ないしお父さん居ないし、仕方ないよな?」
美樹は二階に上がると大地の部屋の前に立っていた。
「家に居ないお兄ちゃんが悪いんだからね、私は調べものがあるから入るんだから!」
一人でドアの前で言い訳を言い終わると美樹は大地の部屋に足を踏み入れた。
大地の部屋はパソコンが1台と本棚にオカルトの雑誌と資料といった色気の欠片も無い部屋だった。
直ぐにパソコンを使い検索しようと部屋の電気をつけると部屋の中からパソコンデスクの上までぎっしりと資料の山が積み上げられていた。
「お兄ちゃん、もう少しオカルト抜けたら未来が明るいのに、取り合えずパソコン、パソコンと」
そんなデスクの上には、まだ新しい紙の束が置いてあった。
美樹は其れをどかそうとした次の瞬間に束をバラバラにしてしまったのだ。
「やば!」
慌てて散らばった紙を集める美樹の眼に一枚の紙が姿を表した。
『裏野ドリームランド』
「裏野ドリームランド?これだ!」
其れは大野と高橋 大地が集めた資料だった。
美樹は其処で初めて大地達のオカルト研究会が“裏野ドリームランド”を調べてる事実を知る事になったのだ。
「また変な場所に行ってるのかな?でもこれ、隣町だよね?」
取り合えず私は資料を持って自分の部屋に向かった。
そして資料を読もうとした時に玄関の開く音がしたのだ。
「あ、玄関の鍵かけてなかった」
私は恐る恐るしたに降りるが階段の電気も玄関の電気もついていなかった……
私は少しビクビクしながらリビングの方に歩いていくとリビングの先の台所に人影が見えたのだ。
(誰かいる……もしかして!泥棒?)
私は玄関に有った傘を手に持つと直ぐにリビングに移動した。
そして電気をつけた。
「其処にいるのは誰!」
其処には涙を流しながら立っているお母さんの姿があった。
「どうしたの?お母さん」
「美樹……大地がね、大地がね、行方不明なのよ……大学にも来てないって」
取り乱すお母さんを慰めながら私は何があったか聞いてみた。
お母さん警察署に失踪者届けを書きに行っていたのだ。
普通ならば24時間経たなければ登録出来ないのだか、今回は少し状況が違っていた。
高橋大地の通う大学から七名の失踪者届けが出されたからだ。
大野 純平
吉田 太一
村谷 かずき
鈴村 茜
桜井 美雪
安堂 なぎさ
そして、高橋大地だ。
「ちょっと待ってよ!朝木さんは?全員お兄ちゃんのサークルメンバーじゃん」
私が朝木 未久の事をお母さんに訪ねると予想外の答えが帰ってきた。
「警察が連絡が取れないからと家を訪ねたの私も話が聞きたいからって無理を言って一緒についていったの」
お母さんは少し躊躇ったようだった。
「お母さん!ちゃんと話してよ!」
「ええ、朝木さんの家から異臭がするって警察の方に言われて家の外で少し待ってたのそしたら直ぐに大騒ぎになったの、家の中に、朝木さんのお婆さんと未久ちゃんの変死体が見つかったのよ……」
二人の間を流れる時が一瞬凍りつき、一瞬の沈黙と共に色々な感情が流れ出してきた。
「死後10日は経過してたみたいだって、警察が話してるのを聞いたわ」
お母さんの話を聞いて、私はお兄ちゃんが死んでいるんじゃないかと考えてしまった。
夜の静まりかえる部屋の中、ふと眼が覚めた、時計を確認する。
時刻は0:24分だった。
いやに、喉が乾くような蒸し暑い夜だった。
喉の乾きを潤す為に台所に行こうと階段を降りていくとリビングから、お母さんとお父さんの声が聞こえた。
「大地から連絡はあったか?」
「無いわ……今日ね、大地と同じ大学の子が変死体で見つかったの……」
お母さんとお父さんの会話はお兄ちゃんの事だった。
お母さんはお父さんに今日あったことを話していたのだ。
「大丈夫だよ、大地は確りしてるし頭のいい子だ……たぶん、また何処かにサークルで取材に行ってるんだよ?前にもあったじゃないか」
「あれから!ずっと大地は連絡をするようになったわ!いつだって……電話してくれてたのよ……何度かけても繋がらないのよ……繋がらないの……」
お母さんの泣きそうな震える声、もしお兄ちゃんの携帯の電源が切れていたらな期待しないですんだのかな……
お母さんは、お兄ちゃんが山や充電出来ないような場所に行っても大丈夫なようにと、去年の誕生日にお兄ちゃんの携帯を太陽電池付きの物にしてあげていた。
皮肉にも、繋がる携帯がお母さんの心を苦しめていたのだ。
そんなお母さんを慰める、お父さんの声も震えていた。
私は喉の乾きを我慢し、そのまま部屋に戻ることにした。
階段を騰がって直ぐのお兄ちゃんの部屋はまるで最初から誰も居なかったかの様に静かに佇んでいた。
次の日、朝起きるとリビングにお母さんが朝早くから朝食を作りながら待っていた。
テーブルには、四人分の朝食が用意されていた。
私は少し悲しいような、何とも言えない気持ちのままに朝食を終わらせると学校へと出掛けた。
朝食中に見たニュースには、朝木 未久の変死体の事件の事が出ていたが、内容は変死体ではなく、病死と言う風に紹介されていた。
夏休みを前に学校からの注意と報道陣がいるので余計な事をするなと言う話をされただけであった。
学校が終わり、帰ろうとする私に一人の男子生徒が話しかけてきたのだ。
「高橋 美樹さんですよね?」
そう話かけてきたのは隣のクラスの生徒だった。
見たことがある程度で、話した事すらない男子生徒に私は呼び止められたのだ。
「そうですが?何か用ですか」
私は素っ気なく返答するとその男子生徒がある紙を手渡してきた。
それはあるサイトにアップされた、普通の写真だった。
私は意味がわからずその紙を突き返した。
「なんなのよ!意味わからない」
「よく見て!写真の後ろ、写ってるの俺の姉ちゃんなんだよ!」
必死にそう言う男子生徒に言われ紙に写るコンビニの中で撮影された写真をよく見るとコンビニに入ろうとする女性とその女性に手を降るように写る兄の姿がそこには写っていた。
「俺の姉ちゃん、最後に帰り遅くなるってメールと写真が来たのが最後に今も帰って来ないんだよ……警察も何か解ったら教えるって……俺の姉ちゃん探してるんだよ!」
男子生徒が私に写真を見せたのは、男子生徒の姉である、桜井 美雪と私のお兄ちゃんが同じ日に行方不明になったからであった。
男子生徒の名前は、桜井 光紀、最後に送られて来た写真には懐中電灯とピンボケした女性と思われる不気味な写真が写っていた。
私は光紀の話を聞くことにしたのだ。
夕方の公園のベンチに腰掛け、光紀が買ってきた飲み物を飲みながら、話を聞くと、光紀の口から桜井 美雪とお兄ちゃんの所属するサークルに不気味な手紙が届いた話をされたのだ。
そして、私は“裏野ドリームランド”の名前を再度、聞くことになったのだ。
「裏野ドリームランド……」
私がそう口にすると光紀にいきなり肩を両手で掴まれた。
「ちょっ!何よ、はなしてよ」
「頼む!なんか知ってるなら教えてくれ!」
「痛い、痛いから離してよ!」
あまりの力に私は声をあげてしまった。
その時一人の男性が私と光紀の間に割って入ってきたのだ。
そのお陰で私から光紀の手が離れた。
「こら!何してんだ大丈夫か!」
男はすぐに光紀を取り押さえると私に「大丈夫?」と声をかけてきてくれた。
そして、男が警察に連絡すると言うので、やめてもらう代わりに、何故こうなったのかを仕方無く話すことになったのだ。
しかし話した事を後悔した。
この男は変死体事件を調べていた記者の一人だったのだ。
工藤 一真それがこの記者の名前だ。
そして、光紀のピンボケ写真を見せると不思議そうな顔をして写真を見ていた。
「女以外は?まったくブレてないなんて、不思議だな、普通少しはブレる筈なんだが?」
そう言うと工藤は誰かに電話を掛けはじめた。
電話が終わり、工藤は写真のデータのコピーを光紀に求めたのだ。
光紀もさっきの出来事があったので仕方無くデータのコピーを渡した。
それから2日程して、私と光紀そして工藤は、裏野ドリームランドの裏にある山の中に立っていた。
理由は光紀の渡したデータのコピーを工藤が知り合いに頼み、データのピンボケ部分を修正ソフトに掛けた時の事だった。
一瞬、ソフトの誤作動だろうか、写真からピンボケの部分がなくなったのだ。
取り合えずそれをコピーした工藤の元に一本の電話が鳴り響いたのだ。
工藤が電話に出ると……
「ワタシは……裏野ドリーム……ランド……帰れない……」
そう言うとすぐに電話が切れたのだ。
非通知拒否の筈の工藤の着信履歴には非通知の表示だけが残されていたのだ。
そして、電話が終わると同時にコピーが終わり、そのコピーした紙に写っていたのは微笑む朝木 未久の姿だったのだ。
工藤は取り合えず、お祓いをする為に私と光紀に連絡をしてきたのだ。
私達のお祓いが終わるとお祓いをしてくれた住職に「山には絶対に“近寄るな”」と言われたのだ。
しかし、私達の住む町には山などなかった。
近隣で山の1部が残るのは裏野ドリームランドの裏手にある小さな山の後だけであった。
元は防空壕や地下トンネル等が配備されており、国の歴史を知るための県の文化財として残されているだけであった、今は立ち入り禁止になっていた。
私達の共通のキーワードである、裏野ドリームランド……
私は光紀と相談し夏休みに入る、次の日の夜に何とか裏野ドリームランドの中に入ろうと考えたのだ。
しかし、表の入り口には確りと鍵が掛かり、中に入ることは叶わなかった。
そんな時に工藤の姿を見つけたのだ。
工藤は裏山に続く道を調べて来ていた。
裏山に着いた工藤の後をつけて行くと防空壕の跡にたどり着いたのだ。
そして、工藤はそこで有るものを拾った、それは携帯電話であった。
その携帯に着いていた不気味なストラップは私のお兄ちゃんの付けているものと同じだったのだ。
私は光紀と隠れながら後をつけていたが、その瞬間に飛び出してしまったのだ。
「それ!」
いきなり、私の声を聞いた工藤は驚いていたが、すぐに私達と分かり、安堵の表情を浮かべた。
そして、私はお兄ちゃんの携帯を握りしめると中を調べた。
私とお母さんお父さんからの着信が並ぶ着信履歴、そして、携帯のデータホルダーに NEW!の文字を見つけた。
それはお兄ちゃんが血を流し倒れている姿を撮ったものだったのだ。
「いやぁぁぁぁ」
取り乱す私から携帯を取り上げると工藤はすぐに撮影された時間を調べたのだった。