エピソード14 何か知らんが襲われた
「なぁ翼」
「なんだ〜?」
ここは学園の中庭。
今日の授業も終わったし、今は翼と二人でまったりしてる所だ。
ちなみに見はまだトラウマ入ってる。
「俺、よく生きてられたよな」
「そういや、おばさんに国中追い掛け回されたんだっけか。お疲れ」
「あとさぁ…どうでもいいけどさ」
「どったのよ〜?」
「視られてるよな」
「あぁ、あの木の裏に一人いるな。それに、授業中とか遊びに行ったけどお前ずっと見られてたもんな」
「うむ。つーかお前、授業はちゃんと自分のクラスで受けろ。毎回毎回俺等のクラスに来るな、邪魔だし」
そう、何かよく分からんが俺、今日は誰か…つーか木の裏の奴に監視されてるらしい。
「何かむかつくなぁ」
「お前なら撒けるだろ」
「そうだけどよ、あいつ一般人じゃないぜ?」
「適当に相手してあしらえばいいんじゃねーの?まぁ頑張れや。じゃ、俺麻婆茄子食って帰るから」
「茄子じゃなくて豆腐だろそこは。まぁいい、じゃあな」
翼は食堂に向かっていった。
茄子で食中毒になって悶え苦しむがいいわ!
さてさて。
「そこの人、出てきたら?」
「何だ、気付いてたのか」
「そりゃ気付くだろ。で、何の用?」
「俺は家系で陰陽師やってんだよ。で、お前からそういう氣を感じた」
「へぇ、そりゃどうも」
「面倒事は嫌いなんだが、一人前になれば家の馬鹿みたいな修行も終わるからな。お前を祓って一人前として認めてもらう。そういうわけだから」
ここまで言って自称・陰陽師の男は札を取り出した。
「死んでくれ。式神!」
「はぁ…話が飛び過ぎだろ」
男が式神っつった瞬間、二メートル位の傀儡人形みたいなのが手に持った刀で襲ってきた。
っていうか本物の陰陽師さんでしたか。
「よっと」
「あれを避けるか!?流石妖怪…」
ありゃま、見事に勘違いしてるみたいだ。
「まぁ聞けって」
「うるさい!行け、式神!」
人形が後ろから切りかかってくる。
俺はそれを体を捻るだけで避ける。
「俺は普通の人間だぞ?」
「なら何でそんな氣を持っている!?」
今度は赤い札を取り出して投げてきた。
陰陽道とか五行からして火だろう。
恐らくは…爆発か何か。
「そんなもん生まれつきとしか言いようが無いだろ」
札が近づいてくる。
その場から跳んで樹の上に乗って避ける。
「ならそのあり得ない身体能力はなんだ!?」
「あり得ないってのは失礼だな。現にありえてんだろーに」
人形が追いつき、下から突いてくる。
それも冷静に見極めて樹の幹を左右に移動することで避けきる。
「大体お前、自分が修行やりたくないだけで人殺そうとすんなって」
「黙れ!」
人の話聞けよこの野郎…。
「俺はただ自由が欲しいだけだ!あんな家なんかどうでも良い!」
「いや、そんな話俺にされてもどーしよーもないし」
「だから早くお前を祓って一人前だって認めてもらうんだ!」
懲りもせずに赤い札を投げてくる。
って解説してる今も後ろで人形が切りかかってきてるんだよなぁ。
真面目に解説すんのも飽きたし、終わらせるか。
「なぁ、剣道の突きって凄ぇよな」
「何を…」
反論してきたが無視だ。
めんどくさい。
「あの技、高校生以上の経験者にしか使っちゃいけないんだぜ?」
人形を蹴り飛ばし、距離を取る。
「そんな経験者でもたった一発で死ぬことがある、真剣でも無いのに、だ。何故か分かるか?」
十分に距離を取った辺りで人形に向き直る。
「し、知るかそんなこと!」
「こういうこと、だ」
――パァン!!
一瞬で距離を詰め、腕を前に突き出す。
俺がたった今突いた人形は、文字通りバラバラになった。
その破片の中の頭だった部分が札になり、その札は空中で燃え尽きた。
…ちなみに、今のは影月の技じゃない。ただの突き、だ。
「なッ!?」
「あーダリー…。じゃあな陰陽師さん。俺、帰る。飯作らないといけないんで」
それにしても…今日の晩飯は何にするかねぇ。
久しぶりに餃子でも作ってみるかな。
「おーい、狼ぉー。終わった〜?」
「ああ、今さっき終わらせた所。ほれ、帰るぞ」
…ん?冷蔵庫に大蒜あったっけ?
「式神!」
陰陽師さんはもう一体の人形を出して襲ってきた。
まぁ、話にならんくらい弱いから関係ないか。
「何だ、駄目駄目じゃんあいつ」
「あ、翼もそう思うか?実際、弱かったし」
――ベゴォォン!
あちゃー。
翼の奴、裏拳一発でやっちゃったよ。
後ろを見もしないで放った翼の裏拳が人形の顔面にHITした。
人形はきりもみ回転しながら陰陽師さんの方に飛んでいく。
「へぶぅ!」
あ、巻き込まれてやんのー。ばっかでー。
「おいおい、巻き込まれて気絶したぞあいつ。どうすんの?」
「放っとけば起きるって。本気でやったわけじゃないんだし」
「当たり前だ。お前が本気でやってたらあんなもん壊れて破片になる所か粉々になって霧散しちまうだろうが」
「お前だってそーだろうに」
「俺は本気出さないの。出すような相手なんてお袋達以外には異世界にしかいないだろーし」
「異世界?どこそれ」
「馬鹿作…じゃない。この世界の神が何時も読んでいる世界。何か感想はまだ送ってないらしいけど」
「読んでる?感想?送る?」
「まぁ気にすんなって」
気になルぅぅぅぅぅ!
って叫んでたけどほっとこう。
だって翼だし。
狼 おい、馬鹿作者。俺剣道知らんぞ。知ってるのは突きが何故強いか、だけだ。
作 あー、いいのいいの。突きが強いっていうイメージを読者様が持ってくれればいいな、って思っただけだから。
狼 …にしても、あいつ弱かったなぁ。
作 もう二度と出てこないしねぇ。
狼 何かかわいそうだな…。もうちょっと戦っても良かったか。
作 いーのいーの。何か戦わせたくなっただけだから。
狼 だったらもっと強い奴にしてくれ。アレは弱すぎる
作 うーん…。いっそのこと賄賂贈って他の先生方に『うちの狼を宜しくお願いします』って頼んであげようか?
狼 いや…あの兄ちゃん達はちっと…。俺魔法とか氣とか使えないし…。
作 今度機会があったら(※コメディクロスの企画は話数が少なかったので参加してません。次があったら参加してみたいです)お願いしてみよう…。おっと、長くなりましたね、それでは、また次話で会いましょう。
狼 またなぁ。馬鹿作者が感想に餓え始めたから送ってやってくれるとパワーUPするかもな〜。