エピソード11 翼の親父もやってきた
…ふぅ、今日は無駄に疲れたぜ。さっさと家に入って寛ごう。
学校で翼をボコった後、普通に授業を受けてやっと我が家へと帰ってきた。
普通に…じゃなかったか。
ボコった筈なのに何故か復活して色々と仕掛けてくるもんだから無駄に疲れた。
家の前に着陸し、家の鍵を取り出す。
そして、玄関に鍵を入れる所で気が付いた。
「…開いてる」
何でだ?
この家の鍵を持ってるのは俺とお袋と親父と翼の親父さんだけの筈だ。
…!まさか、帰ってきたのか?
――ガチャ
「おや、お帰りなさい。息子」
そのまさかだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ちくしょぉぉぉぉ!また何か盛られるぅぅ!
「あ…あぁ。ただいま、親父」
「そんなあからさまに嫌そうな顔しないで下さいよ。それじゃ僕は買い物に行ってきます」
良かった、外出か。
…ってまてよ?今、買い物って言ったよな?
「待て!何を買うんだ?親父」
「あははっ、普通の食材ですよ。気にしないで下さい」
「そうか…なら、いい」
親父は嘘は吐かないからな。言葉巧みに騙す事はあってもな。
普通のっていってたし問題ないだろう。
問題は…お袋だ。
あの人は俺の手に負えない。
……逝くしか、無いか。
俺は覚悟を決めて魔窟に入った。
…え?上の文字が違わないかって?いや…あってる。逝くんだ。そして魔窟だ。
「ただいま」
「お〜う息子〜、おかえり〜」
そして無言で自分の部屋に直行しようとする俺。
しかし、その行動は無駄に終わった。
えぇ、捕まりましたとも。
「息子よ、何処へ行くんだ〜?」
「いやぁ…俺、学生だから勉強しようかな〜って」
「必要無いだろ?さぁ特訓だ」
「嫌だ!死ぬ!死んじまう!」
「ハハハハハ!」
「笑うな!」
「アハハハハ!」
「離せ!あと笑うな!」
「行くぞ」
急に真面目な声になり、更には頭を片手(それも利き手じゃない右手で)で軽く掴まれ、空中にプラーンと持ち上げられてしまった。
「 行 く よ な ?」
…頭を握る力が段々強くなっていく。
「……はい」
と、言うわけで、お袋が帰って来る度に行われる特訓が今回も行われることになった。…はぁ…。
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「はぁ?」
「だから、轟から提案されてな。『たまには翼と狼を入れ替えて特訓してみないか?』って」
「で?」
「轟にしごかれとけ♪」
「ふざけんなぁ!あの力で殴られたら…「じゃ♪」……野郎…」
文句言ってる間に行きやがった…。
後で親父の薬を飯に盛ってやる…。
「あれ?翠は?」
「どうも親父さん、早かったですね。お袋はついさっき行きましたよ?」
ちなみに翠とはお袋の名前である。影月翠。
「遅かったか。俺帰った時翼生きてるか?」
「黒い昆虫並にしぶといから大丈夫だと思いますよ?」
「そうか。よし、じゃさっさと始めるか」
始めますか…と返事をして家に入ろうとした時、親父が帰ってきた。
「おや?轟じゃないですか。どうしました?」
「おお、狂也か。ちょうどいいあの部屋のパスワードって何だ?」
「あぁ、いつも貴方がハニーと戦うあの部屋ですか。”僕は殺しがだぁい好きぃ♪”ですよ?」
「何その恐ろしいパスワード!」
「嘘ですよ?」
「で?本当のパスワードは?」
「誰のでもいいですから血液を15リットル程です」
「もっと怖ぇよ!」
「冗談はさて置いて…」
「冗談かよ!」
「部屋の前まで行ってください。後は遠隔操作で鍵を開けますから」
こうして、俺と親父さんの初特訓が始まった。
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数時間が経ちましたとさ
By作者
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何とか…乗り切ったぜ…。
けどその代償に体のあちこちが痛てーぜ。
「あっはっは。轟、上手い具合に手加減できてますねぇ。僕のハニーだったら毎回骨の何本かは逝ってるんですけど。それじゃ息子、今から薬塗りますよ〜。打ち身と掠り傷に良く効く薬です。…あ、これ食べれるんですよ?どうです?」
「いるかっ!」
「そうですか。え〜い♪」
――ベトォッ!!!
え〜い、の掛け声と共に何かが俺の背中に落ちた。
つーか果てしなく気色悪い。…ん?
「くぁぁぁっ!痛ててててて!沁みる!ちょ、痛た!何これ!?」
「良薬は口に苦し、と言うじゃないですか。それと同じです。……多分」
「多分っ!?」
「狂也、実験はしたのか?」
「フゥオオオオオオオオ!」
「いいえ?してませんよ?」
「やっぱりか…。スマンな、狼。我慢してくれ」
「はぁっ…はぁっ…もう痛くないですよ、親父さん。それよりも見てくださいよ、これ」
「ん?どれどれ…。うお…こいつは凄ごいな」
痛みが引いたと思って傷を見ると、傷が治ってるんじゃなかった。再生してた。
…ここまで来ると自分の体でも気持ち悪いね、うん。
しかも良く聞くとな、ウジュウジュ言ってんのよ。やばいよ、これ。
「さぁさぁ、そんなことは放っておいて早く行きましょう。もう少しで晩御飯が焼きあがる頃ですから。それにハニーも今日はきっと帰らないでしょうから轟も食べてってください」
「あぁ、すまないな狂也。それじゃいただくよ」
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今日の晩飯はハンバーグのようだ…。
親父のと親父さんのは。
「おい親父、これは何だ?」
「何ってハンバーグじゃないですか。形は頑張ってメカ○ジラにしてみました」
「そうか…。フンッ!」
――キィン!
ナイフを持って首を一閃してみました。
「あぁっ!僕のメカ○ジラーーーーーー!」
「何で中身もメカなんだよ!ふざけんなっ!」
「くそっ…二号三号、行け!」
「せいやッ!」
――キィンキィン!
「二号と三号はエ○ラと○ジラか。上手いな、狂也」
「キン○ギドラもありますよ?」
「こっちは薬のカプセルが入ってたか…油断ならん親父だ」
「こうなったら…きなさい、量産型ザ○!」
「危ねー物をハンバーグで量産すんな!馬鹿親父!」
「はっはっはっは!そんなことに囚われていたら科学者なんてやってられませんよ〜?」
「ふむ、狼。団体様のご到着だぞ?」
「うーわー!わっしゃわしゃいるー!」
「僕の小遣いから出したんでそれで終わりですがね。まぁ遊んでたら完全自立思考ができちゃうAIが出来たんでそのザ○はかの赤い彗星よりも1.2倍から1.5倍の強さを誇ります」
「遊びでそんな物作るな!全国の開発者さんに謝れ!」
「狂也ぁ、ハンバーグおかわりしていいかぁー?」
「ええ、フライパンにあるのをどうぞー」
「俺にもそっちを「駄目です♪」うおっ、ザ○が襲ってきたっ!?」
「フッフッフ、まぁ頑張れ、狼」
「危ねぇっ!うわっ!」
「「あははははは」」
こうして、男3人の食事は進んでいった。
作 はい、この話は翼を学校でボコった後の話ですね。何せ同じ日ですし。
狼 まさか親父さんが来るとは思わなかったな。
作 いやいや。折角アメリカから帰らせたんだから出さなきゃね。
狼 だからって親父まで帰らせることは無いだろ?
作 ほらほら、そんな事はいいからおじさん二人の紹介でもしたら?
狼 めんどくせーなぁ…。
片翼轟。翼と天の父親。今現在も身長は伸びていて現在208センチ。超マッスル。そしてダンディ。
影月狂也。俺の親父。身長、大体180くらい。超絶マッドサイエンティスト。メガネ。
以上だな。
作 適当だな。詳しくは説明しないの?
狼 その辺は読者皆さんに『こんな感じかなー』って考えて貰う。
作 まぁ、基本的にはかっこいいので顔等は皆様の想像にお任せします。(その内髪の色等は決定します。まぁ殆ど決まってますが)それでは、今後ともこの小説を御贔屓に〜。