『商品No22瞬き』 商品ランク☆
世界は怪奇で溢れている。
突然だが、催眠術というやつがあるだろう。あの人間を思うがままに操れる奴だ。
あれにかかると人間の味覚はおろか、自分が他の動物だと思い込むことも出来るらしい。
本当かどうかはさておき、まあ実際そんなことが可能ならば怖いわな。
だってよ。それが本当ならば殺人だって可能だからな。
「お前死ねよ」って催眠術を使える奴が殺したい相手にかければ、これこそ証拠も残らない完全犯罪だからな。
何でこんな話をするのかって? それは今俺の目の前にいる母親におぶられた赤ちゃんがいるのだが、その赤ちゃんを見ていると不思議な衝動に駆られるからだ。どんな衝動かと言うと、目の前の赤ちゃんが瞬きをすると、なんか無性におっぱいをあげたくなってしまうんだ。困った。
目の前の赤ちゃんが瞬きをするたびに、俺の胸の中の熱い何かが弾け、その衝動が込み上げてくるんだ。
俺はどうかしているんだろうか。赤ちゃんが瞬きで、俺に催眠術をかけているなんて考えが浮かんで頭から離れない。
どうしよう。
俺は妻に相談することにした。
「あなたにも父性愛というものが生まれてきたのね」
妻は穏やかな笑みを浮かべ言った。
妻は大きなお腹をそっと優しく撫でた。
「ねえ、生まれてくる赤ちゃんになんて名付けましょうか」
「そうだな……」
俺はもうすぐ生まれてくる赤ちゃんに思いを馳せた。




