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第02話 遭遇

「・・・な○3はdnんぞ」


 俺は呼びかけられた感じがして、

 あたりを見回す。


「・・・なン○は2ぞ」


「んんん、なんだ。誰だよ。誰かいるのかぁ」


「・・・なんじはなんぞ」


「だから誰だって言ってんだよ。ここはどこだよ」


「ここはベルヘイム」


「ベルヘイム、はぁ? 意味わかんねぇ。さっきから誰だてめぇ。どこにいる」


「我は汝の上にあり」


「上?」


 俺は、頭上を見上げると暗がりの中に光る2つの物体が見えた。

 まだ、先程のまぶしい光のせいでまだ焦点がぼやける。

 だんだん、視界が鮮明になってきた。

 懐中電灯の光を光る2つの物体に当てる。


「ヒィッ!?」


 懐中電灯の光の先をよく目を凝らして見ると、暗闇の中に巨大な黒い物体がある。

 その物体は徐々に下がって近づいてくる。

 そして前方3メートルのところに来るとはっきりと存在が見えた。

 巨大な黒い龍の顔が俺の前に現れた。

 暗闇と漆黒の体でわからなかったが、

 実は目の前に巨大な黒龍が鎮座していた。

 俺はその姿を見て恐怖で腰が抜けて、

 そのまま地面に座り込んでしまった。


「・・・再度問う。なんじはなんぞ」


「え、あ、う、・・・・・・・・・・・」


「・・・再度問う。なんじはなんぞ」


「ひゃぃ、俺は田辺敦です」


「タナベアツシ、そなたは人間か?」


「はい、そうでぅすっ」


 恐怖のあまり、マトモに喋れない。


「我にはもう残された時間がない。よく聞くが良い、二度は言わぬ」


「ひゃい」


「今から汝と、我が子ヴィゼルとに魂の命脈をつなぐ。これから汝は我が子を守れ」


「えっ!? ヴィ、ヴィゼル? 、だれ、それ? なに?」


「我は先の戦いでもう幾ばくも時間がない。最後の力を使い、わが子の守護者を召喚し、そして汝が来た。本来なら汝では役不足だが、次なる守護者を呼ぶ余裕は我にはもうない。汝の命を持ってわが子を助けよ。我が子が死ぬとき、汝も死すなり」


 黒龍はとんでも無いことをいきなり言い始めた。

 つまり、いきなり呼び出されて龍のベビーシッターをやれと言っているようだ。

 そんなの出来るわけない!

 というか、だいたいここはどこだ?


「ここは、ベルヘイム。汝とわが子の命脈を今つなげた。汝は我が子が生きている間は、永遠に不老なり」


 そう言うと、いきなり俺の体が光り始め一本の光の線が出て黒龍の方向に伸びていった。


「・・・なんだ、俺の心が読めるのか?」


「我は汝の心と直接会話をしている」


「なら、ち、ちょっと、まってくれ、急にそんなこと言われても、一介の人間の俺に空想の動物の龍のお世話なんか出来ない」


「・・・出来ぬ時は死するのみ、グッ!?」


 そう言うと、黒龍はドーンを横倒しになって大きな音を立てて倒れた。


「ピィピィピィー」


 倒れた黒龍のわきから、手のひらに収まるくらいの小さいミニチュアの黒龍が飛び出してきて、鳴きながら倒れた黒龍の顔にしがみつく。


「我が子を守れ。頼んだぞ・・・」


 そう言うと黒龍の目から光が消えてしまった。

 それにしてもあっという間のできごとだった。

 要約すると、俺は死にかけの黒龍に召喚されて、無理やり黒龍の子供(ヴィゼルって名前?)の世話を、命がけでやれという事らしい。

 対価は不老?のようだ。

 なんだよこれ!

 このファンタジーなありえない展開。

 だいたいベルヘイムってどこだよ。

 どう考えても地球じゃねぇし。

 大体なんだ、

 この眼の前の黒い生物。


「くそーっ、もっとちゃんと説明してから死ねーぇ!!!!!!」


 俺は地面に大の字になって大声で叫んでいた。

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