驚愕の事実
あの後優太はミレーナ邸に戻り部屋に買ってきた剣を置きミレーナと夕食を食べた。
ミレーナは家ではドレスを着るようで夕食を食べる時にはドレスを着ていた。とても似合っていて美しかった。
優太がミレーナに綺麗だね、と言ったらミレーナは頬を染めながらありがとうと言った。
「ごちそうさま、それじゃ俺は部屋に戻って寝るね、明日はファフニール討伐だしね」
「わかったわ、それじゃおやすみなさい」
優太は部屋に戻りベッドに体を預け、そのまま眠りについた。
優太は今までの習慣で太陽が上ると同時に目が覚めた。
(やっぱり今までの習慣のせいでこんな時間に目が覚めてしまった、いつもだったらここから朝稽古だもんな、たしか中庭は自由に使っていいって話だったな)
優太は転生前までは朝から常人なら気が狂うような稽古を積んでいた、それを毎日5時からみっちりと、しかし優太の元々の運動神経がそこまでよろしくなかったので達人クラスまでしかいくことが出来なかった。
ちなみに優太に武術を教えた師は優太を片手で制することが出来るレベルの化け物だった、要するに達人クラスの人間が束になっても叶わないほどの実力者である。
優太は朝稽古をするために部屋を出ようとした時、突然頭の中で声が聞こえた。
「やぁ優太クン、久し振りだね、突然話しかけて混乱してるだろうけど少しボクの話を聞いてくれるかい?」
(あんた…神様か、突然なんのようなんだ?というか神界の決まりでは普通転生した人間には一切の介入は許されてないはずだよな?それこそ全知全能なる神ゼウスでさえも)
優太はとっさに神の決まりで頭の中で検索をかけた。
優太能力の一つに完全なる支配者というものがある。その能力はどんな知識をも保持することが出来、どんなものでも支配することができる。
簡単に考えると馬鹿でかい図書館とこの世を支配することができる能力だ。
ちなみに優太は知識を保持はしているものの知識の数が膨大すぎてどれがどの知識でどういう種類のものかがわからなくなるので基本はインターネットブラウザのような形で検索することによって知識を見ている。
「うん、たしかにその通りだね。でもそれが普通の転生した人間の場合だよ」
(どういうことだ?俺は人間じゃないとでも言うのか?)
「そうだね、キミは人間じゃない。いや正確には転生したと同時に人間という枠組みから外れたんだよ」
(なぜ転生した後にそれを言わなかったんだ?普通そういうことはすぐさま伝えるものじゃないのか?)
神は数秒間を空けた後こう告げた。
「それについては素直に詫びるよ、すまなかった。神界でもキミにこのことを言うべきか否かで揉めてて今まで伝えることが遅れたんだよ。ボクとしてもね、こんなことが起こるなんて予想すらしてなかったんだよ」
(どういうことだ…?俺はいったいナニになったんだ?どう見ても人の外見をしているんだが?)
「キミはね神になったんだよ、しかも今までのようにチカラを継承されていく形の神と違って自らのチカラを発現させて神と同等もしくはそれ以上のチカラをもったもの、それがキミなんだよ…」
(…はぁ?ちょっと言ってる意味が理解出来ないんだが…?神になったのはいいけど発現させた?俺はそんなチカラを発現させた覚えはないぞ?)
「やっぱりそうか…だろうと思ったよ。通常チカラを発現させたものはチカラを制御出来ずに死ぬか、チカラに気づかないかのどっちかなんだよ。でもキミの場合はボクが転生させたことがきっかけで発現させてしまっただからお詫びと言っちゃなんだけど、どういうチカラなのかを知るきっかけを作ろうか?」
優太は神の話を聞き、迷っていた。きっかけを作ってしまったら死ぬか制御するかのどちらかしかない、しかし、もしきっかけを作らず放置していた後、チカラが予期せぬ自体で目覚めたら世界が一瞬で滅んでしまうかもしれない。
チカラにもよるがどれも世界を一瞬で消すことができるほどのものをもっているものが多い。
だが、優太は決断しなければならない、今を乗り越え生きるか後で自分のチカラの暴走で死ぬかという生死をかけた選択を
しかし優太の返事は意外なものだった。
(よし、やるわ。どうせなら隠されたチカラってのも気になるしな。こういうのって少年心がくすぐられるしな)
神は微笑み、わかったよと言った。
「じゃあ神界のとある空間にキミを転移させるよ?準備はいいかな?」
大丈夫だぞーと優太は返事をした後、優太の姿は部屋から消えた。