ドラゴン襲来
森を抜けた後優太と下僕は大規模なキャンプ場に辿り着いた。
「下僕さん、ここはキャンプ場だよね?なんでこんなに大きいの?」
「ミレーナです!!いい加減覚えてくださいユータさん!!」
優太は覚える気がないようだが彼女はミレーナ・ソエルという。
「はいはい、じゃあミレーナさん、ここはキャンプ場でOK?」
「ええ、それで大丈夫よ…はぁ…」
とりあえずさくっと街に行ってギルド登録して功績をあげてなどなどいろいろなことを考えてる優太だった。
「それで「うわぁあああ、助けてぇ!!」…えっと、なにかあったみたいね…?」
優太は今度はなにがあったんだと思った。
「オイ!アンタ達!さっさとこっから逃げたがいいぞ!ルビードラゴンが襲ってきたみたいなんだ!!」
気の良さそうなオジさんが優太達に親切に教えた。
「ふーん…ルビードラゴンか…雑魚じゃん。ちなみにソイツ殺したら報酬はあるのかな?」
その言葉を聞いた2人は愕然とした。こんな若い男がドラゴン相手に勝てるわけがない、ましてやルビードラゴンだ。国のAランカーのギルドの人間ですら苦戦する相手なのだ。それをこの男は雑魚と言ったのだ。
「そんじゃあさくっと殺ってくるわ〜」
優太は軽い調子でそう言って次の瞬間にはその場から消えたのだ。
「えっ!?いない!?まさか…本当にドラゴンを倒しに行ったわけなの…絶対死んじゃうよ…」
「若い命を散らしてしまうなんて…私はなんて無力なんだ…」
2人はそこで言葉なく立ち尽くしてしまった。
その頃優太は超高速で移動し、ルビードラゴンの元まで走っていた。もはや縮地といっても遜色ないほどだ。
(転生前はこんな動き出来なかったな…師匠にも道場で散々鍛えられたけどもやはり肉体のおかげだな…複雑なものもあるけど、とりあえずルビードラゴン討伐だな!いや〜やっぱ異世界って言えばドラゴンとか魔物だよな!お?あいつかな?)
優太の目の前には赤黒い鱗をした体長50メートル近くの羽の生えたトカゲのような生き物がいた。
(おおおお!!ドラゴンだ!!これぞドラゴンって感じだな!もうなに言ってるかわかんないけど!)
ドラゴンはどうやら超高速で接近している優太に気付いたようだった。
「GYAAAAAAAAAAA」
ドラゴンが咆哮をした。しかし次の瞬間。
「うるさい、糞ドラゴン、とりあえず吹っ飛べ」
優太は縮地でドラゴンの懐に潜りこみアッパー気味に叩き込んだ。そのままドラゴンは地に倒れ伏した。
「あれ…?ドラゴンこんな弱いのか!?」
この日ドラゴン討伐最速タイムが更新したのは言うまでもない。
当初の予定だともう街についてるはずだったのに…