1、朝から逃走中
私、夷 神酒の初連載です。読みにくい部分もあるでしょうが、寛大な心でお許しくださいm(__)m
おはよう諸君。
…って慣れない挨拶は置いといて、この前入学式を終え、無事高校生になった僕は、早速生命の危機に立たされている。
時間帯は朝方の登校中。
現在地は普通の通学路の途中。
周りには車もないし、今は銃刀法違反者もいない。
テポドンも飛んできてないはずだ。
…えっ、『なにが生命の危機だ? 被害妄想しすぎだクソ野郎』だって?
ふっ、確かに妄想かもしれない。
むしろ、妄想でこの現実が終わってほしい
けど、それは後ろから確実に迫っていた…
「こらぁカケル!! 待てェェエエエ!!」
そう僕、伊達駆[だて カケル]は追われてるんです。
だけど、僕はヤクザにも警察にもパパラッチにも追われる筋合いはない。
「止まれぇ!! 止まらないと三枚に下ろすわよ!!」
聞き慣れた透き通る声。
そこから読み取れる悪意。
そして、後ろから迫ってくる殺気…
…これは僕の天敵、四谷彩貴[よつや サキ]ですね。
彼女は小学生の頃から、僕にいちゃもん付けて、襲い掛かってくる要注意危険人物だ。
この殺気をどんな顔で出しているのか見てみたい。
しかし、今後ろを振り返れば失速して、即三枚下ろしの後、叩きにされる。
「だから止まれぇ!! 袋叩きにするよ!!」
ほらね、ビンゴ。
逃げ続けてる間に、目の前に我が高校の正門が見えてきた。
そして、あの中には彼女の追跡に対して完全無欠、絶対防御を誇る一室が存在する。
その名は…男子トイレである!!
僕は一直線に正門に走り込む。
そして、グラウンドを突っ切って昇降口に…………!?
「伊達! ここは通さん!!」
グラウンドの途中には、体格のいい男子生徒が数人が立ちはだかっていて、その中心にクラスメートでありラグビー部エース、田中がいた。
「四谷親衛隊の名にかけて、逃走はここで諦めてもらう」
サキは容姿端麗、成績優秀なこともあり、男女から結構好感を得てる(一部を除く)ためファンクラブや親衛隊が、入学一週間もかからず出来ていた。
「チイッ…来たか!!」
そんなこんなで立ち止まってたら、後ろから強烈な殺気と共に、ダースベイダーのテーマの幻聴が…
「やっと追いついたわ…」
振り返る必要はない。
しかし、これで挟み撃ちされた。
ライフカードは三枚。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・中学の頃から『県内最強のラインバック』の田中に勝負を挑む。
・昔から勝率ゼロ%の鬼神、サキに勝負を挑む。
・人生を諦める。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
どうする? どうするよ、俺!?
…って二枚目は三枚目と結果は変わらないな。
…なら、僕が生き残る道はただ一つ!
「田中ァ! 退けぇぇぇ!!」
迷ってる暇はない、突貫するのみ!!
「来るか! 四谷親衛隊No.124。田中、参る!!」
ここに、僕と田中の譲れない戦いの火蓋が切って落とされた。