咲良の決意
その後、桜は一時間ぐらい今までたまっていたことをぶちまけた。
自動販売機で水を買って桜に飲ませると、随分と落ち着いてきたようだ。
「あのさ、桜・・・、俺が代わりにお前の中学校通おうと思うんだ・・・」
「え?」
「咲良じゃなくて、桜のふりをして、桜として過ごすんだ」
「え?・・・え!?」
いきなりのことで、桜は驚きを隠せない様子。
桜と俺は、ほぼエスカレート式の幼稚園に入園した。
俺はそのまま小学校に通えたけど、中学校の試験で落ちてしまったた。
エスカレートでも、試験はある。
桜は入院のせいで、小学校に通えず、卒業証書ももらってない。
まず、小学校に入学できていないため、頭はあってもエスカレート式ではあがれない。
けれど、一般入試で合格できるほど賢いわけじゃない。
それでも、病気ということもあって、桜だけ特別枠で試験を受けることが出来たのだ。
なのに、今回こんな状況に陥ってしまって、また入学が出来ない。
「俺は、桜に卒業証書を渡したいんだ・・・」
でも、そんなこと桜が納得するわけはなく。
「駄目だよ! お兄ちゃん、中学決まってるじゃん!」
「休むよ。休んでも入学してしまえば、そのまま卒業出来る」