表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憂愁戀愛物語  作者: 捺魅
第1章 始まりの・・・
6/17

桜の思い


それは、俺の妹を想う気持ちから始まった。

二年前、妹はまた倒れた。

ちょうど、中学校の入学式の前日。

(いもうと)は幼稚園まで一緒に通っていたが、小学校生活は全て病院で過ごした。


それでも一生懸命頑張って、中学校には行きたいと願って、ついにそれが実現した。

桜は凄く嬉しそうだった。

なのに、前日に倒れた。

俺は病室でずっと、桜に付き添っていた。


「・・・お兄ちゃん、明日入学式でしょ? もうゆっくり休んで?」

「そんな、また桜をおいて、俺だけ学校なんて・・・」

「仕方ないよ。私はもう、こういう運命なんだよ・・・」


泣きそうに言う桜を見ていられなくて・・・


「俺たちは双子の兄妹なんだよ。何でも悲しいことを一人で抱えようとしないで」


でも、どうやって励ましたらいいのか分からなくて・・・


「言いたいこと、やりたいこと、今思ってることは、はっきり言って? こんな運命だなんて、決めつけないで、ほら、未来はいくらでも変わるって!」


もう、これがいっぱいいっぱいで・・・


「・・・おにいちゃ・・・っ・・・」


桜を抱きしめて言葉を待つ。


「わたし・・・がっこ・・・いきたかっ・・・た・・・ちゅうがっこ・・・たくさん友達・・・つくりたかっ・・・た・・・」


肩にしみていく雫には桜の今までの思いがつまってて、胸が苦しくなった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ