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憂愁戀愛物語  作者: 捺魅
第1章 始まりの・・・
5/17

桜の正体

(また、”兄”の話になったらどうしよう・・・)


「・・・ら? 桜?」


突然の声に振り返る。


「どうしたの? 考え事?」

「あ・・・うん・・・」


ぼーっと歩いていたため瑞希の声に気が付かなかった。

それに辺りを見渡せばもう、学校と家の半分の距離を歩いていた。


(いつのまにここまで・・・)


また、考えていたら瑞希が心配そうに聞いてきた。


「大丈夫?」

「あ、うん」

「大丈夫じゃないでしょう? 麗ちゃんのことどうするの? いったい何があったの?」


一人で抱え込んでいるのも正直つらかったため、話を聞いてもらおうと近くのカフェに入った。




   ◆



「私さぁ、麗と喧嘩したんだ」

「知ってる。原因は?」


そりゃ喧嘩したことはもうほぼ学年中に伝わっているだろう。


「私の態度が気に入らないんだって」

「態度ねぇ、優しくないってところ?」


やっぱり瑞希は私のことを見てくれている。

いや、他人も目から見ても私は冷たかったということなんだろう。


「うん、・・・でもさ、仕方ないよね?」

「・・・・・・・」


沈黙が場の空気を重たくする。


「私、麗が思ってる”桜”じゃないもん・・・」

「・・・うん」


瑞希は静かにうなずき、真剣に話を聞いてくれた。


「中途半端に優しくすると後で悲しくなるのはお互い様だし、何より”桜”が困る」

「そうだね・・・そう考えると”咲良(さくら)”の行動は正しいと思う」

「・・・うん」

「でも、麗ちゃんも相当ショックだと思うよ?」


そんなこと分かってる。


「告白を受け入れたってことは咲良も好きだったってことでしょ?」

「でも、”桜”が”桜”じゃないことを知ったら、・・・怖い・・・」

「それは咲良が女の子じゃないってこと?」




私は”蒼井桜(あおいさくら)ではなく、蒼井咲良(あおいさくら)

性別は男。

妹の蒼井桜(あおいさくら)の双子の兄。

今、俺は病気で学校に来れない妹の代わりをしている。








【登場人物紹介】

・蒼井桜 咲良の双子の妹

・蒼井咲良 桜の双子の兄

・渡辺瑞希 双子の大親友、双子の秘密を知っている

・麗 桜(咲良)の彼女、咲良が桜だということを知らない

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