恋愛ごっこ 2
私には沢山の友達がいる。
休み時間になると、周りにはすぐに人でいっぱいになる。
その中の一人に瑞希もいて、もちろん麗もいる。
でも、一つ欠点があって、今私の周りにいる人たちは皆、幼稚園や小学校からの持ち上がりなのだ。
麗は中学校からなので、話の話題によってはついていけず、悲しい思いをすることになる。
そういう時は、私が麗に話かければいいだけなのに、私はそういうことをしない。
私は麗だけを放っておいて、皆と話をする。好きなのに。
でも、それは、麗がいつも私の隣にいてくれると思っていたから。
何があっても、私の側からは離れないだろうと信じきっていたから。
◆
ある日突然、二人の関係はねじれた。
原因はやはり、私の今までの行動。
下校中、麗がぼそっと呟いた。
「私は桜のことが好き」
驚いた。あまりにもいきなりすぎて。
「・・・ありがとう」
「・・・やっぱり」
・・・え?
「桜って、なんか私にそっけないよね」
「ど、どうして?」
「さっき、ありがとうって言うのに時間かかったし、それにいつも”ありがとう”しか言わない!」
「・・・・・・」
「黙るってことは何? どうして好きって言ってくれないの?」
違う・・、そうじゃない・・・
好きだ・・・
「ほら、今”好き”って言うところじゃない!」
違う・・違う・・・
好きだ、好きだ、好きなんだ・・・
でも、私は・・・
そのまま何も言い返すことはできず、この沈黙は交差点のところまで続いた。
麗は真っ直ぐに行くけど、桜は曲がらないといけない。
ここの交差点を真っ直ぐ行くと駅がある。
桜は地元だから。歩いて登校しているのだ。