恋愛ごっこ
登場人物は話途中の後書き、または章の最後にまとめて、説明します。
―――二年生三学期―――
・・・ワタシはアナタでアナタはワタシ。 ずっと一緒だよ・・・
車のよく通る大きな道路、交差点を曲がりずっと進んでいくと、右側に校門が現れる。
私はそこの中学校に通う二年生だ。
ここ東京の色々なところから、生徒は通ってくる。
そして、一部の人は幼稚園からの持ち上がりだ。
小さな幼稚園で一クラス約十人くらいが通っていた。
その後、小学校で一クラス約四十人となり、中学校では約三十五人となる。
「桜ちゃん、おはよ」
この子は渡辺瑞希。私の幼稚園からの大親友だ。
「昨日、麗ちゃんが可愛いストラップを一生懸命選んでたよ」
「へぇ」
「多分、桜ちゃんとお揃いにしようと思っているんだよ。よかったね」
瑞希は、私が麗と付き合っていることを知っている。
◆
瑞希が言っていた通り、今日の帰りにハートのついたくまのストラップをくれた。
麗とお揃いのストラップ。
安かったよと言っていたのだが、あとから二千五百円もするということが分かった。
どうして、瑞希はこんなのも私のために色々としてくれるのだろう。
私は麗に対して冷たい。
それなのに、私のことを「好き」と言ってくれる。
こんな関係がしばらく続いて、私はいつのまにか、麗を心から好きになり、四六時中考えるようになっていた。
でも、それと同時に好きで好きで嫌になる。
「消えてほしい」そう思ったこともある。
本当にムカつく・・・