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短編小説

鳥の気持ち

作者: うわの空

「ねえ知ってる?さっき見に行ったペットショップってね、病気になったりした鳥は、空に放すんだって」

 彼女が、空を飛んでいる鳥を見ながら言った。

「へえ、良いじゃないか。最期に解放してもらえて。大空を飛べて、鳥も満足だろ」

「そうかなあ」

 彼女は少しだけ、泣きそうな顔で言った。

「私だったらそうは思わない。見捨てられたみたいで悲しいじゃない。最期まで、かごの中にいさせてほしい。

 最期まで、諦めないでほしいな」

「ふうん、そうかあ」

 そんな彼女が愛おしくなって、手を繋いだ。



 それから1年後、俺たちは別れた。別れようと言ったのは俺の方だった。

 嫌だと泣きじゃくる彼女から、そっと離れた。


 それから毎日毎日、彼女からメールや電話がくる。





「見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで」





 なあ、俺は解放されたいんだ。おまえから。

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