2話 自己主観世界
ここからやっと始まる感じです。少しでも良いなと思って頂けたら幸いです。
私立神栄学園、その高等部ニ年B組。ここが俺の在籍しているクラスだ。
そして、さっきまで現実逃避していた俺に、現実を突き付ける人物がいた。
あんの忌ま忌ましい数学教師め……
ち・な・み・に♪現在数学の時間。
「おい、聞いてるのか斬愛」
「は!もっ、勿の論ですよ?先生」
「くだらん洒落はいい。さっさと答えろ」
「い、イエッサー」
わ、解らない……いったい何の問題をやっていたのか、皆目検討もつかん。まぁ、それと言うのも、さっきまでぐっすり寝ていた、というのが原因なのだが……
「どうした?早く答えろ」
「え、えーと」
こうなったら最終手段だ!恥を承知で頼むしかない!
後ろの席にいる悪友にアイコンタクトでHELP!!と送ってみる、しかしニヤニヤしているだけで助けてくれない。くそぅ!薄情者めっ!後で殴ってやる!絶対だかんな!覚えてろよ!くっ!こうなったらやけだ!
「じゅ、15?」
ど、どっちだ!
「………………」
「……(ゴクリ)」
「……いいや、座れ」
「ちょ!いいやって……それだけ!?それに今の間はなんですか!て言うかあってるんですか!?それとも間違ってるんですか!?ちゃんと言って下さいよ!」
「うるさいぞ斬愛、黙って座れ」
「し、しかし……」
くっ、仕方がないここは黙って座るとしよう。決して周りの視線が痛かったとかではない、それに座れと言う事は、さっきの解答はあっていた、という事だろう。
しかし流石俺だな、あてずっぽうで言っても当たるなんて。
「じゃあ藤田、答えを言ってくれ」
「え?あ、はい」
そう言って藤田が立つ……って!うおぉぉぉぉぉい!!間違ってんのかよ!言えよ!そして正せよ!間違いがあったらそれを正すのが教師ってもんだろうがよぉぉぉぉぉぉ!!
「えっとー『x=8』です」
「はい、正解」
普通の応答がこんなに羨ましく思えたのは、これが初めてだよ……
「先生……先生は何故、俺をいたぶるのですか?イジメですか?虐待ですか?それとも趣味ですか?それはもうどうしようもありませんね(笑)俺が先生に何かしましたか?いいえ、してません、断じてしてません!私は、潔白です!」
「うるさいぞ斬愛。俺はお前をいたぶってないし、イジメても無い、そして虐待した覚えなぞない。ちなみに趣味でもない。そしてお前は、俺が頑張って授業をしていると言うのにグースカと幸せそうに寝ていやがったよなぁ~さっきまで(怒)」
げ!?ばれてた?
「これは、教育だ♪廊下に立ってろ」
「先生、笑顔が怖いです(泣)」
結局廊下に立たされたー……はぁ
=SEISYUN=
「あっはっはっはwww(爆)」
「笑いすぎだ!このくそ薄情者がっっ!!」
ガツン!!と一発くれてやった。
「いてぇ!何すんだよ」
「黙れこの薄情者が」
そう言ってパンを一口かじる。
現在数学の授業が終わり、昼飯時だ。俺はいつものように購買でパンを買って、目の前にいる悪友と駄弁りながら昼飯をとっていた。
「しかし、お前度胸あんな~、りょうちゃん先生の授業中に寝てる奴なんて初めて見た。」
この目の前にいるむかつく顔をしているのが、俺の悪友の内の一人で、白崎雄太と言う。
身長は平均より少し低めでオールバックの髪型と少し色黒の肌が特徴だ。顔はそこまで良くないが、悪くもない。明るく人見知りしない性格なので友達も多くクラス内でも人気者だ。 自称モテ男のイタい奴だが、実際にモテるらしく野郎連中いわく「この顔の何処がいい!!」だそうだ。
弄られる側の人間でボケ担当。
「うっせ、俺だって気づかないうちに寝っちゃってたんだよ」
ちなみに、『りょうちゃん先生』とは、数学教師にして、我らが2B担任の女教師(25歳独身)だ。
見た目はいいが、性格が終わっているので結婚出来ない。あと最近、生徒に喫煙の事を指摘されまくったせいで、本気で禁煙を考えているらしい。まぁ指摘してたのは、主に俺と白崎だが・・・
「ははっ、寝不足かよ」
「さすがに4時寝はまずかったか~」
「つーか何?4時まで何してんの?」
「いやなに、本を読んでたらつい」
「ついって言える時間じゃないよなそれ」
「そうか?まぁいいや、そういや今日って部活あんの?」
「んあ?ああ、あるよ、あるある」
「そっかぁ……あんのか部活」
部活ねぇ……