『文蔵衛門の速記シャープ』
掲載日:2026/06/11
武蔵国の川越というところに、文蔵衛門という商人がありました。水運で財をなし、扱わないものはないというくらい、手広く商売をしておりました。この文蔵衛門の娘というのが大層な美人で、そのことがお殿様のお耳に入り、おそばに上がることになりました。商人の娘ですから、正式な側室ではなかったのですが、まだ跡継ぎのいなかったお殿様にとって、初めての男の子を産んだことから、事実上の若殿の母ということで、その立場は揺るぎないものとなったのでした。
当然、その父である文蔵衛門も、次のお殿様の祖父ということで、みっともないことができなくなり、商う速記シャープに意味なく家紋を箔入れしたり、原文帳用の半紙にさらに意味なく家紋の透かしを入れたりしているうちに、身代が傾いたそうな。
教訓:文蔵衛門の商う、箔入りのプレスマンが珍しいものであったので、文蔵衛門、がなまって、プレスマン、と呼ばれるようになったという説は、諸説あるうちの一つにすぎない。しかも苦しい。




