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午後八時。探偵事務所に二人の若い女性が来ていた。依頼人の大河内さんと、その友人の女性だ。
「長澤真璃です」と、彼女は自己紹介する。彼女は茶髪のロングヘアで黄色のワンピースに茶色のヒールを穿いていた。
「夜分遅くにお呼びして申し訳ありません」
御手洗さんはそう前置きして話をする。「先ほどのお電話でのお話しの通り、堺陽介さんはご自宅の駐車場に停めていた自身の車の中で殺害されておりました」
御手洗がそう話すと、二人の女性たちは黙って彼を見ていた。
しばらくして、大河内さんが口を開いた。
「そうですか……」
「ええ」
「堺くんは、誰かに殺されたんですね。一体誰が……?」
大河内さんが御手洗さんにそう訊いた。
「さあ?」と、彼は首を傾げる。「ですから、それ以上のことは警察の仕事でして……」
「そう……ですか。ですよね」
大河内さんはそう言って、ため息を吐く。
「それじゃあ……」
大河内さんがそう言いかけて、御手洗さんが口を開く。
「はい。我々が出来るのはここまでになります。もう少し発見が早かったら、彼はまだ生きていたかもしれません。その点については申し訳ありません」
そう言って、御手洗さんは謝罪する。
「いえ……」と、大河内さんが言う。「謝る必要はないです。遅かれ早かれ、結局彼は殺されていたと思うので……。発見してくださっただけでもありがたいです」
「はあ、そうですか」と、御手洗さんは言った。「この後のことは警察にお任せすることにしましたので、大河内さん、それと長澤さん、後は彼らの指示に従ってください」
御手洗さんは二人を見てそう言った。
「分かりました」と、大河内さんが言う。それから、長澤さんも頷いた。




