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A.F.F.S (アカギ・フライングマシーン・ファクトリー・ストーリー)  作者: あくまでもフィクションです。石を投げないで。
14/33

各種設定 1:

 最後エピローグは、九一式防空戦闘機・改と九七式戦闘機(12.7mmと7.7mm混合型)の模擬空戦で締める予定だったのですが、元々はAFFがライセンス料を稼ぐ話だったので。


 最初の『九一式防空戦闘機』は何だとお思いでしょうが、『AFF 1930 750HP』を世間に広める見せ金のようなものです。架空戦記や仮想戦記と思って読んでいた方々には申し訳ない。


 AFFタイプ30(帝都防衛迎撃機)性能諸元


項目. 数値. 日本側技術者の視点・戦慄の理由

全長 / 全幅. 8.5m / 11.5m. 単葉機として非常にコンパクトだが、翼厚が異様に厚い。

全高. 3.30 m. 3.6mの巨大プロペラをクリアする脚高

全備重量2,300 kg. 九一式(1.5トン)より800kgも重い。この重量が全て「盾」と「牙」に割かれている。

主翼面積. 25.0 m². 重戦闘機としての翼面荷重を維持

翼面荷重92 kg/m². 当時の日本の常識(50kg前後)の倍近い。「巴戦」を完全に捨てた数値。

エンジンAFF 1930 750HP. 星型複列14気筒。1000馬力級をあえて750馬力で運用する贅沢さ。

最高速度340 km/h. 300km/hの壁を軽く突破。丸頭リベットの抵抗を「力業」でねじ伏せている。

上昇力. 5,000mまで6分30秒. 重いにもかかわらず、低回転大トルクのプロペラ効率で垂直に近い上昇が可能。

武装7.7mm機銃 × 6丁. 日本の標準(2丁)の3倍。翼内にこれだけの重量物を積める剛性に戦慄。

燃料対応. 60オクタン(最低保証). 粗悪な「松根油混じり」でもノッキングせず全力運転が可能という異常な懐の広さ。




 命名規則による制式名称


機体:九一式防空戦闘機(史実の九一式戦闘機と並行し、帝都防衛用として制式採用)

発動機:ハ一(ハ号一型)(AFF 1930 750HP。のちの「ハ四五(誉)」などへと続く、日本陸軍航空発動機ナンバリングの記念すべき第一号。1931年は皇紀2591年のため「九一式七五〇馬力発動機」とも呼称)




 AFF 1930 (750hp) エンジン諸元(ミリ規格:ハ号一型)

アカギが「最悪の鋳造精度」を想定して800kgの肉厚で設計した結果、日本の国鉄(苗穂・大井工場)やクボタの技術により、結果として「被弾しても止まらない鉄塊」となった「ハ一」の物理スペックです。


項目. 数値. 比較

形式. 空冷複列星型14気筒. 強制空冷ファン15枚(鋳物製)を前面に装備

排気量. 約 39,880 cc (40L). 日本のベアリングの弱さを「低速回転」でカバーするための大排気量

定格出力. 750 hp / 1,800 rpm. 1000馬力級のポテンシャルを「デチューン」して信頼性に全振り

エンジン外径(直径). 1,450 mm. 40リットル級としては極めて巨大。カウリングが盾となる

全長. 約 1,250 mm. 複列構造と前面ファンにより、機首に強固な質量を集中

乾燥重量. 800 kg. 米国設計値。日本の高品質な鋳造により「全てが装甲」化した重量

ボア × ストローク. 150mm × 160mm. ミリ法への端数処理。肉厚なシリンダー壁により高剛性を確保

燃料供給. 低圧気化器キャブレター. 60オクタン(松根油混じり)でもノッキングしない低圧縮設計


 1931年の「衝撃」


 想定外の「装甲化」:

アカギは「日本の鋳鉄は脆いから、厚くしないと割れる」と考えて800kg(米国基準なら600kg台で済む排気量)に設定しました。しかし、日本の職人は「厚い上に、気泡のない緻密な鋳物」を仕上げてしまいました。その結果、エンジンのシリンダーブロック自体が、12.7mm弾を弾き返すほどの「天然の防弾装甲」として機能し始めます。

 プロペラ地上高と脚:

1.45メートルの巨大なエンジンと3.6メートルのプロペラを回すため、脚は必然的に長く、頑丈になります。これが「未舗装路での運用能力」をさらに高め、後の「九一シュー(襲撃機)」への転用を容易にしました。

 73オクタンでの運用:

当時の日本陸軍の標準的な燃料(73オクタン)では、このエンジンは「全くストレスを感じない」レベルで動作します。点火時期の調整だけで、スペック以上の「粘り」を発揮し、パイロットからは「止まる気がしない」と評されます。




 民間呼称:AFF一九三〇年型 七五〇馬力発動機(ミリ規格)


(現場での通称:「アカギの七五〇(ナナゴーマル)」)

陸軍の「ハ一」という秘匿名称に対し、民間では「AFF」の名がそのままブランドとなり、その巨大なカウリング(絞り込んでいる)と強制空冷ファンの唸り声は「絶対に墜ちないエンジン」の代名詞となりました。




 12.7mm航空機関銃(AFF規格)開発タイムライン


 1931年11月:プロジェクト始動(「ホ103」の前身)

AFF社がタイプ30(九一式防空戦闘機)のライセンスと共に、AFF特許の「翼内反動吸収マウント」の設計図を日本陸軍に提供。

陸軍技術本部は、九一式防空戦闘機の「広大な翼内スペース」を埋めるべく、小倉陸軍造兵廠にて国産化プロジェクトを緊急発足。


 1933年春:試作一号銃「九三式十二・七粍固定機関銃」

AFFが提供したインチ法の設計図をミリ法に換算。当初は高品質なバネ鋼が再現できず。


 1935年(昭和10年):正式採用「九五式十二・七粍固定機関銃」

史実(1941年)よりも6年も早い制式採用。徹甲炸裂弾はない。

AFFエンジンの「低回転・低振動」という特性が、精密な射撃を可能にした。

この時点で、九一式防空戦闘機は「12.7mm×6丁」という、1930年代半ばとしては世界に類を見ない重武装迎撃機へと変貌。





 AFFタイプ32(三発旅客機)性能諸元比較(1936年時点)


項目. 初期型(1933年・丸頭鋲). 改修型(1936年・沈頭鋲). 備考

外装. 丸頭リベット(ザラ肌). 沈頭鋲(滑らかな鏡面肌). 表面抵抗の劇的低減

燃料. 60オクタン. 87オクタン. ハ一型(ハ1)の出力制限解除

合計出力. 2,250 hp (750×3). 2,700 hp (900×3). 1基あたり150馬力の増強

巡航速度. 240 km/h. 285 km/h. 45 km/hの速度向上

最大速度. 280 km/h. 335 km/h. 当時の戦闘機に匹敵

航続距離. 約 1,200 km. 約 1,500 km. 空力向上による燃費改善

離陸滑走距離. 350 m. 290 m. 87オクタンの瞬発力



通常の三発機(ユンカース Ju52やサボイア・マルケッティ等)は全エンジンの高さが揃っているのが一般的ですが、AFFの「翼上エンジン配置」を採用した三発機では、機首(胴体)エンジンと主翼エンジンの軸線(スピナーの高さ)に明確な段差が生じます。

この設計における問題点と、AFFがそれをどう「SF的合理性」で解決したかの設定です。


 1. 発生する問題:ピッチング・モーメントの変化


主翼エンジンが重心より高い位置にあるため、スロットルを開けると機首を下げようとするダウン・モーメントが働きます。逆に機首エンジンは重心に近い位置にあるため、この「出力バランスの差」が操縦性を不安定にする懸念があります。


 2. AFFによる解決策


  エンジンの「ダウンスラスト」設定

翼上のエンジンをわずかに上向きに傾けて設置し、プロペラ後流が水平尾翼を押し下げるように設計されています。これにより、出力を上げると自動的に尾翼が抑えられ、機首下げを相殺します。

  「強制空冷ファン」による重心調整

AFFエンジン特有の重い「強制空冷ファン」と肉厚のクランクケースが機首エンジンにも搭載されているため、機首の重量が非常に重く、これが「おもり」となって翼上エンジンの跳ね上がりを抑制します。

  プロペラ干渉の回避

機首のスピナーを低く、翼上のスピナーを高く配置することで、「三つのプロペラが描く円」が正面から見て重ならない(あるいは干渉が最小限になる)ように設計されています。これにより、各プロペラが吸い込む空気が乱れず、三発機特有の振動問題を劇的に軽減しました。




 各国ライセンス契約・生産開始年(1932-1937)


生産国・組織. 主な型式名. 契約年. 生産開始. 導入の経緯

日本(中島・川崎等). タイプ32 / 九三式輸送機. 1932. 1933. 満州での「泥と氷」への耐性を実証。アカギ設計の最初の具現化。

ソ連(GAZ/ツポレフ). ANT-32. 1933. 1935. 満州の稼働率をスパイし契約。極寒地輸送の切り札として独自生産。

ドイツ(ユンカース). Ju 32. 1933. 1934. 不整地運用能力を評価し提携。Ju52の主翼設計に影響を与える。

米国フォード・ダグラス. FD-32 "Sky-Wagon". 1934. 1935. 資本介入により急造。航空専用部品を排除した「全米工業規格」機。

英国(HP). HP.32. 1934. 1936. 米国の資本介入と規格化を見て、植民地航路用に追従。

AFF(ライセンス管理). AFF-Standard. 1934. 1937. 資本グループと提携。世界最大のライセンス管理会社として君臨。



 「1931年冬」がもたらしたパラダイムシフトの考証


 1. ソ連の焦燥(1933年の契約)


ソ連にとって1931年冬の満州は「屈辱の展示会」でした。

 事象: 国境付近でソ連の機体がオイルの凍結とエンジンの過冷却で一機も離陸できない中、日本軍の「タイプ31/32」が強制空冷ファンの唸りを上げて雪煙を巻き上げ、平然とスクランブル発進。

 結論: 「精密な工学」ではなく、アカギの「野蛮な熱管理(鋳物エンジンと攪拌ファン)」こそがシベリアを制すると悟ったツポレフとスターリンは、1932年早々に莫大な外貨を積んでライセンス契約を締結しました。


 2. ドイツの転換(1933年の契約)


ユンカース社は自社のJu52を推進していましたが、満州での「タイプ32」の報告書が全てを覆しました。

 技術的衝撃: 雪解けの泥濘(プロペラを破壊する)でも、翼上エンジン配置なら致命的な損傷を負わない。ユンカース博士は、この「不整地での絶対的な優位性」を認め、Ju52の主翼設計をAFF規格へ大幅に変更することに同意しました。


 3. 日本国内の状況(1933年の生産開始)


中島・三菱といった国内メーカーは「アメリカ帰りの怪しげな設計」を嫌っていましたが、関東軍が「動かない中島機より、動くアカギ機を」と猛烈に突き上げたことで、1932年から「一九三二式」としての大量生産が始まります。これが日本初の「ミリ規格への翻訳」に伴う大混乱と、職人技による「意図せぬ装甲化」を生む舞台となります。


 4. 資本グループの介入タイミング


1934年末のJ.P.モルガンらによる「ライセンス管理会社化」への移行は、これら各国での生産実績が積み上がり、P&Wやライト社の『軽量・高出力』神話が完全に崩壊したことを受けての「収穫作業」であったといえます。





 九一式防空戦闘機性能諸元比較(1936年時点)


項目. 九一式防空戦闘機 (1931). 九一式防空戦闘機・改 (1936). 評価と技術的整合性

表面処理. 通常リベット. 全面沈頭鋲. 摩擦抵抗を排除し、速度を底上げ

全備重量. 約2,300 kg. 約2,450 kg(+150kg増加). 12.7mm重武装化と防弾タンク採用

航続距離. 約580 km(約2時間10分:60オクタン):約650 km(約2時間25分:80オクタン). 約680 km (約2時間15分:87オクタン). 同じ低回転でも、燃焼効率とトルクが向上

燃料搭載量. 250kg (350L). 変更なし. (胴体内タンク維持)

エンジン. 750馬力(60オクタン):850馬力級(80オクタン:調整型). 850~900馬力級(87オクタン:調整型). 高オクタン化により、点火時期を最適化

エンジン回転数. 1,800 rpm (不変). 1,800 rpm (不変). 信頼性と低振動、巨大トルクの維持

最高速度. 340 km/h(60オクタン):355 km/h (80オクタン):365 km/h (87オクタン). 375 km/h (60オクタン):405 km/ h(87オクタン):415 km/h (92オクタン). 抵抗減と馬力増を「太いパドル」で推進

武装. 12.7mm × 6丁. 12.7mm × 6丁. 剛性の高い翼による安定した射撃

プロペラ. 分割式3.6m 2翅. 分割式3.6m 2翅. 整備性と「粘り強い推力」を継承




 九一式防空戦闘機改一型と改二型のスペック推移


時期型式主な変更点87oct速度92oct速度備考

1935末改(一型)沈頭鋲・防弾化405 km/h415 km/h熱滞留問題あり

1936夏改二型  推力式単排気管415 km/h420 km/h排熱・推力問題を解決



 九一式防空戦闘機 改から改二型への時系列


1. 1935年初頭:九六式艦上戦闘機(三菱)のロールアウト

事象: 堀越二郎技師らによる九六式艦戦が完成。徹底した軽量化と同時に、日本で初めて本格的に「沈頭鋲フラッシュ・リベット」が採用され、400km/h近い速度を達成し世界を驚かせる。

陸軍の反応: 陸軍技術本部は衝撃を受け、「防空戦闘機(九一式)」にもこの技術を導入し、速度向上を図るよう指示。


2. 1935年夏:九一式防空戦闘機・改(改一型)の開発指示

開発: 中島飛行機・三菱重工から提供された沈頭鋲のノウハウと、AFF社特許の「翼内構造」を組み合わせた改修がスタート。

技術的整合性: 九一式は元々翼が厚く剛性が高かったため、沈頭鋲加工自体はスムーズに進む。防弾装備(重量増)も同時に盛り込まれる。


3. 1936年初頭:九一式防空戦闘機・改(改一型)の完成と問題露呈

完成: 全面沈頭鋲化され、速度は400km/hオーバーを達成。しかし、九六式艦戦とは異なる「重い・大排気量」という九一式独自の特性(カウル内の熱問題)により、全速飛行時にオーバーヒートの懸念が残る。


4. 1936年夏(8月):改二型への緊急改修と制式化

解決策: AFF社が「改一型」の熱問題を解決するため、「推力式単排気管」を提案・設計。これにより排熱問題と排気推力を同時に解決。「蒸気機関の排気スチームでドラフト(換気)を促す」という19世紀以来の鉄道技術の応用。

制式化: 解決策を組み込んだ改良型を「九一式防空戦闘機・改二型」として制式採用。生産ラインもこちらに即時移行。


5. 1937年初頭:全機「改二型」へ改修完了、実戦配備

配備: 帝都防衛部隊の全機が「改二型」仕様となり、万全の防空体制を確立。






 1930年当時、星型複列(2列)エンジンは既に開発・試験段階にあり、実用化の直前でした。『AFF 1930 759HP(1930年製)』の設計と整合するのですが、日本の質の悪いエンジン素材と加工精度をその重さと回転数の制限で無理矢理の商品化ということです。


 それが1930年代中頃、米国自動車産業のエンジン素材と工作技術で、デジベル数の低い民間旅客機用のエンジンになったということになります。



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