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A.F.F.S (アカギ・フライングマシーン・ファクトリー・ストーリー)  作者: あくまでもフィクションです。石を投げないで。
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1937年5月 中国大陸華北 野戦飛行場

 1937年5月。支那事変の本格的な開戦を目前に控えた華北の野戦飛行場。


 見渡す限りの広大な大地には、陽炎と共に強い日差しが照りつけていた。その滑走路の端に整列する「九二式双発軽爆撃機・改」の姿は、一年前までこの地を飛んでいた不格好な「痘痕あばただらけ鉄塊」とは、もはや完全に別の絹のような一枚肌へと進化していた。


 かつて、大陸の砂塵を巻き上げて無数に並んでいたザラついた「丸頭リベット」は、沈頭鋲加工という執拗な研磨と打ち替え作業によって一掃されている。大陸の初夏の強烈な陽光を反射する機体表面は、継ぎ目の見えない鈍い銀色の光沢を放ち、見ただけででその「進化」を感じさせるものだった。



 「……信じられん。あの重鈍な九二式が、これほど美しく化けるとは」


 先行して配備されていた九五式戦闘機のパイロットたちが、自分たちの複葉機よりも滑らかな肌を持つ「爆撃機」の列を見て、羨望と困惑の入り混じった声を漏らしました。


「ああ、外見だけじゃないぜ」


 主翼の上のハ一型(ハ1)エンジンから、いつもの「脚立と板」を伝って降りてきた佐野班長が、作業着の袖で額の汗を拭いながら、誇らしげに鼻を鳴らしました。


「沈頭鋲にしたことで、巡航速度が40キロ以上上がった。おかげで、同じ燃料でも航続距離が伸び、何より敵の迎撃機に捕まる時間が減ったんだ。……海軍の沈頭鋲というのは大したもんだ。お陰様で。こっちは12.7mm四挺に積み替えても、新型機に入れ替えたようなものだからな」



 陸軍の上層部は、この沈頭鋲化の費用を『新型機を開発するより、九二式軽爆撃機の皮を剥ぐほうが遥かに安いし強い』と評価した。九二式双発軽爆撃機の稼働率が突出していたからだ。


 そのAFF社設計の「ハ一型 (ハ1)」を「中島 寿 / 川崎 ペガサス系」と比較すると、低回転による部品摩耗の抑制で点検・調整時間は「ハ1」は約12時間に対し「寿/ペガサス系」は約28時間。


 鋳造技術の未熟を厚みでカバーした肉厚鋳造の「ハ1」のオイル漏れ修理は稀で、軽量薄肉の「寿/ペガサス系」は類発していた。


 「ハ1」の余裕設計によるオーバーホール間隔は300時間以上に対し、「寿/ペガサス系」は120〜150時間になる。翼の上にあるエンジン整備の煩わしさは何の問題にもならなかった。



 班長は、主翼の表面にある、指先で触れても継ぎ目の分からない沈頭鋲の跡を愛おしそうになぞりました。


「エンジンはあの『絶対に壊れないハ一型』のままだ。整備のしやすさも、粗悪なガソリンを飲み込む強靭な胃袋も変わっちゃいねえ。87オクタンを食わせて馬力を上げても、低回転大トルクのままだ。他のエンジンが砂塵で次々と悲鳴を上げる中、こいつは平気な顔で回り続ける。……知ってるだろう? 今じゃこのエンジンを狙って撃ってくるような奴は向こうの下手くそか新人さ。このエンジンの重さは最初から防弾装甲を背負い込んでいたのさ」


九二式双発軽爆撃機・改 性能諸元比較(1936年時点)


項目. 初期型(1932年). 強化型(1936年・改). 備考

燃料 60オクタン(標準). 87オクタン. 同じ低回転でも、燃焼効率とトルクが向上

出力(ハ一/ハ1). 750 hp. 850 hp. 高オクタン化により、点火時期を最適化

武装. 7.7mm × 4. 12.7mm × 4 + 7.7mm × 2. 爆撃機から「万能戦機」へ

最高速度. 310 km/h. 365 km/h. 沈頭鋲化と馬力増の相乗効果

上昇力(3000mまで). 6分40秒. 5分10秒. 87オクタンによる急上昇

自重 / 全備重量. 3,200kg / 5,100kg. 3,500kg / 5,600kg. 12.7mmと防弾装備による増量


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