13-2
振り返るとそこには……
「……会長」
先程俺達に部活と称して雑用を押し付けてきた本人そのものが居た。
でも何故だろう。この安心感は。会長だって俺とほぼ同年代のはずなのに。
「あぁ!?テメェも鬼頭組の恐ろしさを知らねえガキか!?」
「鬼頭組?聞いたことないですね。御三家はタカモト、スメラギ、ネコヤシキですし。分家や部下のものにもそんな苗字の方は存在しない筈ですけど」
会長はわざとらしく相手に聞こえるようにブツブツと呟き始めた。
「……というか、うちの関係者でしたら私の顔見て喧嘩売ろうとか思いませんもんね、普通♪」
かと思えば相手を挑発するかのようににっこりと笑う会長。……というか、この人は何を言っているんだ?
「ガキ!さっきから何言ってやがる!」
それは相手も同じだったようで、会長の言動は相手の怒りを逆撫でするだけだったようだ。
しかしそれでも会長は挑発を止めなかった。
「テメェ!マジで誰に喧嘩売ってんのか分かってんのか!?」
「……知りませんよ、アンタ達なんか。というかアンタこそ、誰に喧嘩売ってるか分かってるんです?」
「ああ!?知らね────────」
……一瞬だった。
会長の鋭い拳が、相手の腹に叩き込まれたのは。
「……は?」
殴られた男は泡を吹いて倒れ、それを見た仲間の男達は動揺して騒ぎ始める。
「もう一度聞きますね?」
会長は再度にっこりと微笑んで───────
「テメェこそ誰に喧嘩売ってんのか、分かってんのか」
ドスの効いた声で、言った。




