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「………………」
「………………」
しかし、部屋に連れて来た途端、2人は黙ってしまう。
勘弁してくれよ。これじゃあ何の為にここに連れてきたのか分からない。
「……大河」
「………………」
俺の表情を察したのか犬飼が口を開く。
しかし、鮫島は返事をしない。
「何だよ……俺とは話すつもりもないってわけ?」
「………………」
「……大河っ!!」
痺れをきらした犬飼が机を叩いて立ち上がったその瞬間──────
「ドーモー。ご注文のメンヘラポテトちゃんお持ち致しましたー」
直樹が部屋の扉を足で蹴り、手には籠に入った山盛りのポテトを持ってやってきた。
「「「え……?あ……頼んでないです……」」」
思わず3人でハモってしまう。
しかし困惑する俺達を無視して直樹はテーブルにポテトの入った籠をどかっと置いた。
「いや、だから誰も頼んでないんだが。つーかメンヘラポテトって何だよ」
「じゃあこれからメンヘラパワー注入していきますねー」
直樹は棒読みでそう言い、脇に抱えていたケチャップを取り出し……山盛りのポテトにぶっかけた。
「……あまりにも客来ないんで休憩貰ってきた。これ食いながら腹割って話そうか」
ようやく普段の口調に戻り、偉そうに椅子に腰掛ける直樹。いやお前今一応店員だろ。
だが、コイツのおかげで場の空気が変わったように思える。今なら話し合いをさせられるかもしれない。
心の中で直樹に感謝しながら俺は横目でメニューをチラリと見る。
確かにそこには山盛りのポテトにケチャップがかかった写真に《メンヘラポテトちゃん》と書かれていた。公式メニューだったのかよ。どんなネーミングセンスだ。




