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「結局、ヤバい人ってことしか分かんなかったなあ」
「ヤバい……まあ、色んな意味でな」
ただ、全く収穫が無かった訳では無い。
これで神々廻の行動範囲は分かった。
正直、次またあんな目に遭うのは御免なので、これ以降の接触は避けたかったのだ。
「まあ、あんまり関わり合いにならない方が良さそうな人だったなーって」
「……そうだな」
というか、コイツのコミュ力は何なんだろうか。今日話しかけた人、多分全員知らない人だろ。何であんなに簡単に話しかけられるんだ。
「女の子を自分に惚れさせて利用するなんてとんでもないよな。女の子をなんだと思ってんだか」
「……いや、お前がそれ言うのかよ」
そんな犬飼の背後にぬっと現れ、話しかけてきたのは鮫島だった。
「大河……!俺はそんなサイテーなことしてないし!」
「同じようなモンだろ。特定の女作らずに遊び歩いてるじゃねえか」
おっとここで新事実発覚。というか、俺が転校初日に犬飼に抱いた感情はどうやら間違いでは無かったらしい。
やっぱりコイツは、チャラ男だった。
「違うから!俺ははっきり遊びって割り切ってるし、アイツみたいに恋に落として利用なんてしてないだろ!?」
「そう思ってるのはお前だけで向こうがお前に恋に落ちてたらどうすんだ?責任取れんのか?」
「そもそも俺を好きになりそうな子は絶対選んでないから。お互いゆるーく遊べそうな子としか俺は遊んでませんー!」
「……けっ、クズが」
鮫島、今回はお前に同意しよう。犬飼、お前はクズだ。
俺からすれば神々廻も犬飼も変わらなく見える。
「だって!だって俺が悪い子にならなきゃお前に並べねーだろ!」
「……っ!頼んでねえんだよそんなこと!もう俺に関わるなって言ってんだ!」
「嫌だ!お前が悪い奴になるって言うなら、俺だって同じところまで堕ちてやる!」
……気づけば喧嘩がヒートアップしているように思える。
図書館なのに大声を出して、周りからの注目を思いっきり集めていることに2人は気づいていない。
そして片方はチャラそうな男、もう片方はカタギじゃなさそうな男だ。周りも止められずにただチラチラ見るだけ。
……仕方ない。俺が動くしかないか。
「お前ら、とりあえず外に出よう。そこで思いっきり喧嘩すれば良い」
ただ、外で喧嘩されても困る。
俺は2人を図書館から連れ出し、思いっきり騒いでも困らないような場所に連れて行くことにした。




