11-5
「何だここ……!?」
壁の向こう側はひとつの部屋だった。
やたらと女の子らしい装飾だったので、ここは女性の部屋だろうか。
「あなたが古ね。はじめまして」
「……!?お前か、俺をここに連れて来たのは」
物凄い力で引っ張られたのでさぞかし強そうな相手だと思ったら、目の前にいたのはとても小柄な少女だった。小学校低学年くらいかもしれない。
少女の小ささにも驚いたがそれよりも俺の目を引いたのは真っ白な髪だった。よく見るとまつ毛や眉毛も白い。肌だって驚く程に白い。
まさか、アルビノというやつだろうか。存在は知っていたが、実物を見るのは初めてだった。
「乙女をジロジロ見るなんて、男性として恥ずかしいと思わないの?」
「なっ……!」
口を開いたかと思えば小生意気な発言。小学生の癖に。
「……はあ。多分あなたは勘違いしているんでしょうけど。わたし、来年高校生だから。身長で判断するのはやめて」
コイツは人の心が読めるのだろうか。いや、そういえばこの辺りの奴らは定期的に人の心を読んできていたな……。最近読まれていないので忘れていた。
……何だよ。最近心を読まれていないって。どんな文章だ。
「くだらないこと話してる暇はないの。良いからわたしの話を聞いて」
「いや、いきなり知らない奴に変なとこに連れてこられて話聞けって。どういうことだよ。せめて名乗れよ」
「……全く。そんな暇はないって言ってるのに」
少女は呆れたような目つきで俺を見、大袈裟なくらいのため息をついてみせた。間違いなく馬鹿にされている。
「……レナよ。これでいいでしょ。わたしの話、聞いてくれる?」
レナ、か。確かにコイツにはぴったりな綺麗な名前だな。
「ああ。聞いてやるよ、お嬢」
「何よ。お嬢って」
だが見た目や名前の美しさとは裏腹に性格は悪そうだ。我儘っぽい。
なので皮肉を込めて《お嬢》と呼んでやることにする。
「まあ、良いけど。これ以上余計な話をしている時間はないの。伝えたいことだけ話す」
「……?おう」
そして、この時お嬢から語られた話で俺は大層驚かされることになるのであった。




