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その後、有翔と寮の前で待機していると目の前に見るからに高級そうな車が止まる。
そして中からは黒服の男が現れ、俺達に向かって一礼をすると車に乗るよう促した。
「……これが迎えか?」
「うん。ハルくんの部下の人だよ」
部下って。あの人まだ学生なのに部下なんているのか。
俺達は促されるまま乗車し、そのまま車は発進した。
「お疲れ様。よく来てくれたね」
暫くすると会長の家に到着したらしい。会長はわざわざ外に出て来たらしく、俺達を迎えてくれたが有翔はそれどころじゃない。
「ハルくん!ひかちゃんは!?」
「大丈夫。電話でも言ったけど、彼は無事だよ」
「ねえ、ひかちゃんからここに来たの?」
「いや、たまたま外で雨に打たれていたところを見かけてね。これはいけないとすぐに保護したんだ」
「そっか……でもハルくんが見つけてくれて良かった……。ほんとにありがとね、ハルくん」
……俺は黙って有翔と会長の会話を聞いていたが、一つおかしなことに気がつく。
会長はたまたま外で源氏を見かけたと言っていたが、たまたま見かけるなんて有り得るだろうか。
だって今日はご覧の通りの悪天候で、仕事でも無い限りわざわざ外に出る用事なんて無いだろう。
会長はこんな雨の日に外で何をしていたというのか。
そもそも、こんなに都合よく源氏を発見することなんて出来るのだろうか。だって最早嵐のような天候だぞ。
なら、会長は最初から源氏に当たりをつけていたってことか?だとしたら、何の為に?
「……神凪くん?」
「わっ!……びっくりした」
「おや、そんなにびっくりしたかい?一応、何度も声をかけたんだけどな」
長考モードに入ってしまい、目の前に会長がいることも、何度も声をかけられていたことすら気づかなかった。
「何か考え事でもしていたのかな」
「まあ……ちょっと」
「……ふうん?とにかく源氏くんは無事だよって話と……」
「……とりあえず源氏くんは暫くうちで責任を持って面倒を見ることになったから」




