11-1
……よろず部の連中を疑い出してから早いもので2週間が過ぎた。
季節はもう6月。雨が鬱陶しいシーズンだ。
今日は休日だが外は大雨。出掛ける気にもなれない天気だった。
そして、俺は一つ気がかりなことがあった。
実はゴールデンウィーク明けから今まで一度も、ループを経験しなかったのだ。
それはつまり有翔が死ななかったということで。
「……いや、死なないこと自体は別にいいんだが」
えっと、つまりは犯人の尻尾を掴めなくなったということで。
俺が犯人が部員だと絞れた途端にこれだ。まさか相手も俺のことに勘づいているのだろうか。
このまま平和に時が過ぎればそれで良い。
俺も会長も、有翔がこれ以上死なないことを願っているのだから。
だけど、何度ループしても有翔を殺し続けるって、それこそ絶対的な意志がないと無理だろ。
そしてそんな意志が、簡単に折れる筈がない。
だから有翔はこれからも狙われると考えた方が良い。油断は禁物だ。
「……だが、何も動きがないとこちらも対策ししようがないだろ……」
あの後、俺は2週間ずっと部員の行動に目を光らせていたが、特に怪しいと思えるようなことは無かった。
当然全ての行動を見張ることは出来ないので、絶対とは言えないが……。
会長にも部員が怪しいことを告げておいたので何か動いてくれることを期待したのだが、2週間何の報告もない訳で。
「手詰まり、か」
俺がそう呟いた瞬間、狙っていたかのようにスマホがMINEの通知音を告げる。
こういう時は大抵会長からの連絡なので俺は急いで確認したが、残念ながら連絡してきたのは会長では無かった。
「……!?何だって!?」
しかし、そのMINEは俺を動かすには十分なメッセージが書かれていたのだった。
《サキ、どうしよう!ひかちゃんが家出しちゃった!》




