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「ああ……なんかそれは容易に想像出来るな」
きっと幼い頃から空気を読まずにズケズケと話しかけるような性格だったんだろう。想像して思わず笑みが零れてしまう。
「そうだね。中学高校と孤立してた僕にずーっと構ってくれててさ。……でも零士先輩って昔は凄く大人しかったんだよ」
「は?大人しい?」
大人しいアイツなんて想像すらも出来ないんだが。何かの間違いじゃないのか。
「それこそ幼稚園では女の子って間違うくらい可愛かったし、泣き虫だったなあ。小学校の時も大人しかったよ」
ここに来てまさかの新情報。そして全くその絵面が想像出来ない。
「アイツって、泣くのか?」
泣くイメージがない。ワンワン鳴くイメージはあるけれど。
「今はそうでも無いけどね。昔はほんと泣き虫で、可愛かった。……でも」
直樹はそこで意味深に言葉を打ち切る。これは……突っ込んだ方が良いのだろうか。それともこれ以上は踏み込むなという意味か?
まあ正直、気にならないと言えば嘘になるが……。
「……聞かないの?」
いつまでも黙っている俺に痺れを切らしたのか直樹の方からアクションを起こしてきた。
「……お前が話したいなら」
「何それ。まあ、話すけどさ」
話すのかよ、と思ったが心の中でツッコむだけに留めておく。




