7-8
「あー……ごめんねえ。分かんないよね。目覚めたから、ぼくやるよ?」
俺は有翔にスマホを渡そうとして戸惑う。
いや、返しちゃダメだろ!メモ見たのバレるじゃないか!
「……サキ?」
いつまで経ってもスマホを渡してこない俺が不自然に思えたのか有翔は首を傾げる。
早く返さないと不審に思われてしまう。でも、メモを見たのがバレたら……!
ブツッ
丁度その瞬間だった。
いきなり画面が真っ暗になってしまい、俺は慌てる。
「わ、悪い!急に真っ暗になって……壊れたかもしれない!」
「え!?壊れちゃったの!?」
有翔にスマホを渡し、チェックして貰う。怒られるだろうか。
しかし有翔は怒るどころかクスクスと笑い始めた。
「だいじょぶだよ、サキ。電源が切れちゃっただけ。昨日から充電してなかったもんなあ」
どうやら充電切れらしい。
壊してなくて良かった……。弁償なんて出来ないぞ。
「でもこれじゃあハルくんに電話出来ないなあ」
「わ、悪い。俺がぼーっとしてたせいで」
「違うよ!サキは悪くないよ!」
そうは言うけどやっぱり俺のせいだろ。
有翔はどうしようかなあ……と口に出して分かりやすく困っていた。
「よし!こうなったら直接ハルくんのとこに行って頼んでくる!」
「え!?今からか!?」
「ついでにサキにスマホ用意しといてって頼んどくね!」
「は!?いや流石にそれは……って人の話を聞け!」
有翔は俺の返事を待たず、さっさと出て行ってしまった。
すぐに追いかけようとするが、もう既に彼女の姿は見えない。どれだけ速いんだ。
「アイツ……命狙われてる自覚あるのかよ……」
協力しようって言った矢先にこれだ。
思わず大きなため息が出る。
そして、有翔は本当に会長に俺用のスマホを頼んでくれたということを、今日の夕方に届いた荷物を見て知るのであった……。
第八話に続く……




