7-7
──────カシャン!
思わずスマホを手から落としてしまう。
慌ててスマホを確認するが何処にも傷は入っていないように見える。
「……嘘、だろ?」
あのメモは有翔が打ったのか?
でもいつもの彼女とあのメモがどうしても結びつかない。有翔が死にたがっているなんて、とても思えない。
日付は……去年の夏頃だから、最近の話では無さそうだ。
ひょっとしたら一年くらい前は何かに悩んでいたのかもしれない。
でも。だけど。
最近も彼女がそういう思いを抱えているのだとしたら。
本当は死にたがっているのだとしたら─────……?
「……違う。今も死にたいのだとしたら、俺に助けなんて求めて来ないだろ」
……果たして、そうだろうか。
有翔は本当は死にたくて、このループを止めて欲しくて俺に……。
「……違う!だったら周りを巻き込むような死に方を選ぶ訳がない!」
だから有翔は違う。あんなに弟思いな奴が、源氏を巻き込むような死に方をわざわざ選ぶ筈が無いだろう。
でも、でも……!
まさか源氏を巻き込むとは思わなくて、あんなに大泣きしていたなら辻褄は合わなくも……!!
「……やめろ!!」
自分の思考を止めようと大声を出す。
思ったより大きな声が出てしまったが、幸い、有翔は起きてこなかった。
「違うだろ……有翔は、そういう奴じゃないだろ……」
……本当に?
そもそもそこまで信頼出来る程、俺は彼女のことを何も知らないというのに。
「そもそも、勝手にメモを見ること自体、最低なことだろ……」
そうだ。きっとこれは、有翔にとって見られたくないものだろう。
だから俺は見なかったことにしなくてはならない。そして、有翔に言われた通り、会長に電話をしなければならない。
「でも操作方法、知らねえ……」
「……サキ……?」
俺が項垂れていると、有翔が眠そうに声をかけてきた。あまりに騒いでいたせいで起きてしまったのだろうか。
「……どしたの?」
「あ、いや電話のかけ方が……後なんか変なアプリ開いちまって……」
結局、俺はメモのことには触れず、有翔に助けを求めることにした。




