7-6
───────朝。
のまのまイェイ!
のまのまのまイェイ!
「……うるせえ!!」
けたたましく鳴り響く音楽に起こされる。
「あうぅ……ごめん……ぼくの着信かもぉ……」
というかお前の着信音以外有り得ないだろ。
俺はスマホ持ってないし、この部屋にはテレビもラジオも無い。
そして微妙に選曲が古いな!?
「もしもしぃ……」
『姉さん!!何処にいらっしゃるんですか!?無事ですか!?生きているんですね!?』
電話の相手は源氏らしい。こっちもうるせえ。
スピーカーにしていないのに声が丸聞こえだ。耳元で聞いた有翔はさぞ煩かったに違いない。
「うぅ……ひかちゃんうるさいぃ……」
とりあえず、寮の俺の部屋に居ることは気づかれない方が良いだろう。面倒なことになりそうだ。
なるべく声を出さないように息を潜めることにする。
「今ぁ……?えっとねえ、んー……ハルくんのおうちだからだいじょぶだよぉ……」
有翔もそれを察して空気を読んでくれたらしい。
俺が駄目で、会長ならOKな理論は分からないが。
「うん……うん……心配かけてごめんねぇ……もうちょっとゆっくりしてから帰るから……うん……またねえ……」
暫く会話した後、有翔は通話を切った。
「ぐう。おやすみぃ……」
「っておい、会長に話合わせて貰わないとダメだろ。まああの弟が自分から会長に連絡するなんて有り得ないだろうけど」
「眠い……サキ、やっといて……」
そう言いながら彼女は自らのスマホを俺に渡してくる。
「……やっといて、って。俺操作とか知らないぞ」
そもそもこういうのって個人情報とか、人には見られたくないデータとか入ってるんじゃないのか?
俺を信頼して託してくれたのなら嬉しいが……多分、そうじゃないだろう。
というか絶対眠くて判断ついてない。とにかく早く寝たいから何も考えずに俺に託しただけだろうな。
「どうやって電話かければ良いんだこれ……」
個人情報とかそれ以前に、俺は電話のかけ方すら分からないんだが。スマホなんて持ったことも無いし。
「あ、やばい」
絶対に変なところを触った。
何かメモ?アプリみたいなものを開いてしまったらしい。
「へえ、スマホってこういう風にメモとしても使えるのか……ってそうじゃないだろ。個人情報個人情報……」
アプリの閉じ方が分からず、悪戦苦闘していると……間違えて一つのメモを開いてしまった。
「……え?」
そのメモを見た瞬間、俺は自分の目を疑った。
『つらい。もう生きていたくない。』
『この世界は嫌だ。わたしに優しくない。』
『今日もまた死ねなかった。生きていたくないのに、死ぬ勇気すらない。』
『早く死にたい。誰かわたしを殺して。そしてわたしは理想郷へと旅立つの。』
『死にたい。』
『ころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころして』




